ハビエル・バルデムとエル・ファニングが父娘役を演じる、サリー・ポッター監督作『選ばなかったみち』より、エル演じる“モリー”にまつわるキャスト&監督のコメントと場面写真が解禁された。
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本作は、かつて選ばなかった人生を幻想として見る認知症の父親と、そんな父に寄り添おうとする娘の姿を描く感動作。監督のサリー・ポッターが自身の弟が若年性認知症と診断され、介護した経験を基に作り上げた。
エル・ファニング演じるモリーは、記者として忙しい日々を送る女性。この日、大事なプレゼンに参加することになっているが、レオが行く先々で面倒を起こし予定通りにいかず、思わず苛立ちを募らせる。それでも父に対して強い愛情を持ち寄り添うことを諦めない、どこか陽気さと強い信念を感じさせるキャラクターだ。
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解禁となった場面写真では、劇中の重要シーンのひとつでモリーがレオを真っすぐに見つめ大粒の涙を流す様子や、お揃いのパンツを身にまとい父に優しい表情を向ける様子、仕事の電話の傍らで父の様子を気遣う様子などを捉えている。
サリー・ポッター監督は、モリーという物語において重要なキャラクターのキャスティングは、レオを演じるハビエルと同じぐらい重要な作業であると考え、『ジンジャーの朝~さよなら、わたしが愛した世界』でタッグを組んだ信頼のおけるエル・ファニングに出演オファー。エルは即答で出演を決めたという。
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エルは、「モリーは私が今まで演じてきた多くの役柄とは違っていて、キャリアとしても新しい試みになります。“病気を扱う映画”はこれまでにも沢山ありますが、この映画はそうではありません。それらとは違う、病気に苦しむ人とそれをケアする人との間にある関係性に焦点を当て、美しい視点から描いていきます。とても希望に満ちているんです」と本作を語る。「私は家族の誰かの世話をした経験がありません。この脚本を読んだときは何ともいえない感情を持ち、衝撃を受けました。脚本をもらう前からサリーとは話をしていましたが、私にはこの経験が必要だということが、サリーにはわかっていたんだと思います。私もこの経験が必要だったのです」と本作に向き合った心情を明かした。
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監督は、モリーというキャラクターについて「愛情に突き動かされて父を支えたいと心から思っている人物にしたいと思いました。その一方で、モリーがこれから自分のキャリアやひとりの人間としての人生を築いていく若い女性であり、そこから生まれる葛藤もしっかり感じさせなければなりませんでした」と語る。その上で、「それをポジティブな形で感じられるかも重要です。エルなら遊び心があり、軽快さや楽しさを持ち合わせたような演技をすることができますから。シーンの始めで感情をさらけ出した後、終盤には、再び心の扉を閉じて笑い声を上げたりクスクスと笑ったりすることができるのです。彼女がトラウマをさらけ出すシーンを演じた後に、“はー、気分がすっきりした!”なんて言う姿には驚かされます」とキャスティングの理由と役者としての魅力を語る。
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ハビエルは、本作が初共演となったエルについて最も衝撃を受けたこととして、カメラが回っている間に、自分とともに自由に演じることについて乗り気な姿勢を見せたことを挙げる。「エルは演技中に何が起こっても準備万端という感じで、私にはそれがとても助かりました。レオの症状のひとつに、予想できない行動を起こすというものがあります。演じる私が次に何をするのか分からないという状況の中、共演相手がそれに対してオープンであると分かっていれば、こちらも自由に演じられますから」と称える。
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それに対して、エルは、ひとりの役者としてハビエルを見るのではなく、モリーとして反応することを常に心がけていたという。これについて、「ハビエルと私は、自分たちのシーンに関して前もってそれほどたくさん話すことを望みませんでした。モリーとレオの関係はかけがえのない繊細なもので、普段やるほどのリハーサルもしていません。私がしなければならなかったことの多くがハビエルへの反応だったし、モリーがその瞬間に感じることは何かと考えていたのです」とふり返っている。
『選ばなかったみち』は2月25日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。