ヴェネチア国際映画祭に正式出品された、女性監督によるアフガニスタン初のインディー映画『明日になれば~アフガニスタン、女たちの決断~』の公開日が5月6日(金)に決定、ポスタービジュアル&監督コメントが到着した。
2021年8月、イスラム原理主義組織タリバンによって制圧されたアフガニスタン。カブール掌握後初の記者会見で、タリバンの報道担当幹部は女性の権利は「シャリア(イスラム法)の枠組みの中」で尊重されると発表したが、その真意はまだ明かされない。世界が懸念する中、本作ではカブールで生きる、リアルな彼女たちの生活が映される…。
義父母の面倒を見ながら家事に追われる孤独な妊婦ハヴァ。7年間浮気し続けた夫と離婚を決意するも、妊娠が発覚した高学歴のニュースキャスター、ミリアム。妊娠したと同時に姿を消した恋人がいながら、いとこのプロポーズを受け入れた18歳の少女アイーシャ――。
年齢、生活環境、社会的背景が異なる3人のアフガニスタン女性が初めて直面する人生の試練をそれぞれ描いたオムニバス・ドラマとなっている。
本作は、アフガニスタン映画機構(Afghan Film)初の女性会長を務める新鋭、サハラ・カリミの長編監督デビュー作にして、ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門出品作品。アフガニスタン・タリバン政権が女性権利の向上に取り組む“女性問題省”を廃止したいま、世界が注目するアフガニスタンを舞台にした女性たちの物語だ。
監督・共同脚本のサハラ・カリミは、イランのアフガニスタン難民二世。15歳の頃、2本のイラン映画に出演したことをきっかけにスロバキアで映画を学び始め、映画監督として博士号を取得。その後10年間、30本以上の短編映画やドキュメンタリーを制作した後、カブールに戻る。ドキュメンタリー映画2本は国際的成功を収め、ARTEFranceとBBCで放送された。
サハラ監督は、長編デビュー作であり、アフガニスタンの女優を起用して全編カブールで撮影した本作について、「伝統に縛られた社会での生活を変えようとしている同胞の女性たちについて語ることは、アフガニスタン出身の女性映画製作者としての私の使命です」とコメント。
「アフガニスタンの多くの町や村を回り、ハヴァ、マリアム、アイーシャのような女性たちの実話を見つけました。ハヴァはアフガニスタンの主婦、マリアムは知的で学のある女性、アイーシャは中産階級のティーンエイジャーです。彼女たちは家父長制社会に屈服しないように努めています。彼女たちの選択は、あらかじめ決められた人生への抵抗です。私が目指したのは、何年も声を出すことができずにいたけれども、運命を変える覚悟ができた女性たちの人生について語ることです」と力強く語っている。
『明日になれば~アフガニスタン、女たちの決断~』は5月6日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。