映画に出てきてない新キャラクターを描く2022年のMCUドラマ第2弾が、早くも登場! キャプテン・マーベルの大ファンであるムスリムの女子高生が、ひょんなことからスーパーパワーを手に入れてしまい、ヒーローへの一歩を踏みだす青春ストーリーだ。
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開始早々、The Weekndの大ヒット曲「Blinding Lights」にのせ、主人公カマラ・カーンによる“アベンジャーズ愛”溢れる手作り満載のアニメーションに心躍る(アントマンであるスコット・ラングのインタビューPodcastがあるのにも笑う。めちゃくちゃ喋ってそう)。そして、第1話のカマラのメインミッションが「アベンジャーズ・コンに何としてでも行く!」というのがこれまたアメコミファンへの愛に溢れている。MCUの中でも断トツでコミックスファンへの目配せが楽しめる作風に仕上がっているのも好感。16歳という多感な時期、将来のことを考えなければいけないけれど、現実を見ろと言われても難しい。そんな女子高生カマラの空想と現実を行き来するような、瑞々しい気持ちを実写とアニメ表現を効果的に織り交ぜながらポップに魅せる手法も観ていて楽しい。
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アメコミヒーローものでは“ひょんなことから”スーパーパワーを手に入れることはよくある設定だが、今回は異国にいる祖母から届いた何だかクールなアクセサリーに秘密がある様子。オタク設定の高校生がひょんなことから…という流れだけで言えばほぼスパイダーマンだが、彼は秀才だし、運動神経が良いし、白人男性だ。ミズ・マーベルの場合はオタク高校生としてだけでなく、移民二世として、パキスタン系アメリカ人として、女性としての様々な葛藤が描かれる。しかも、ニュージャージー州が舞台でちょい田舎出身と言うところも親近感が湧く設定で、どんくさい、勉強もそんなに出来ない、パッとしない子としてイマン・ヴェラーニがとてもいい味を出して演じている。開始数分で愛らしくてたまらなくなるくらいにチャーミングだ。
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MCUドラマは最初の1話、2話は好スタートを切ることが多いが本作は果たしてどうなるか。早速1話の最後に『スパイダーマン:ノーウェイホーム』でトム・ホランド演じるピーターを問い詰めていたダメージ・コントロール局のあの人も登場したので、もしやまたマット・マードックが助けてくれる!? なんて妄想もしてしまうが(マット・マードックが登場すれば嬉しいが、それならキャプテン・マーベル登場も実現して、カマラとご対面してほしさしかない)。いずれにしても、次回のエピソードが待ちきれなくて、カマラのように妄想して1週間を過ごすこと間違いなしだ。
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