スティーヴン・キングの傑作を新解釈で映像化した『炎の少女チャーリー』。84年のオリジナル作品を完全リメイクした本作では、超能力だけじゃなく家族の愛や絆にもスポットが当てられている。
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不思議な超能力(パイロキネシス)を持つ少女チャーリーと、秘密組織の壮大なバトルが繰り広げられる本作。超能力少女チャーリーのパイロキネシスの能力も見どころだが、本作は家族の愛、絆も注目すべきポイントだ。
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長年にわたりブラムハウスとタッグを組み、『ハロウィン KILLS』(21)も手掛ける、本作の脚本を担ったスコット・ティームズは「本作で描かれている親子の絆や、他の子供と少し違った子を育てる中での葛藤といった点に深く共感したんだ。いじめや孤独、親としてどのように子供を慰めるか、また子供が不安を抱えている時に親として何ができるか―そういった全ての要素が本作に盛り込まれている」と語り、本作ではスティーヴン・キング作品における親子関係の描写がより色濃くなっている。
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ザック・エフロン演じる父親アンディは娘の能力を抑えさせ、能力を隠すことで我が子を守ろうとするが、シドニー・レモン演じる母親ヴィッキーは、娘が自身の能力をコントロールする術を身につけ生きていけるようになることを望む。
製作のアキヴァ・ゴールズマンは「例えば、並外れた知能を持つ11歳の子供の片方の親が、大学に行かせるのが最善だと考える一方で、もう片方の親は知能の発達よりも社会性の発達を重視し、同年代の子と同じクラスにいるべきだと考えるのと同じだ」と、どちらの親も娘チャーリーを想う愛に変わりはないと明かし、本作ではただ我が子を守るために必死になる父と母が対照的に描かれている。
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親が子を想う愛だけでなく、娘チャーリーが両親を想う愛についても描かれており、チャーリーを演じたライアン・キーラ・アームストロングは自身の演じたチャーリーについて「彼女はモンスターじゃないし、人を傷つける気もない。悪意からの行動ではなく、自分と家族を守るために能力を使うだけ。もし私が彼女の立場だったら、家族を守るために同じことをするはず」と愛する家族を想い、秘密組織と対峙するチャーリーへの共感を示している。
本作のもう一つのテーマである家族の愛や絆。より普遍的なテーマが盛り込まれたパイロキネシス映画となっている。
『炎の少女チャーリー』は6月17日(金)より全国にて公開。