香川照之主演映画『宮松と山下』の公開が決定。場面写真とメイキング写真も到着した。
宮松は、端役専門のエキストラ役者。ある日は時代劇で弓矢に打たれ、ある日は大勢のヤクザのひとりとして路上で撃たれ、またある日はヒットマンの凶弾に倒れ…来る日も来る日も殺され続けている。
そんな宮松だが、実は彼には、過去の記憶がなかった。なにが好きだったのか、どこで何をしていたのか、自分が何者だったのか。なにも思い出せない中、彼は毎日、数ページだけ渡される「主人公ではない人生」を演じ続けるのだった――。
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今回香川さんが演じるのは、なぜかエキストラ役者として生きる男・宮松。あっけなく斬られて画面の端に消えたり、チンピラとして凶弾に倒れたりと、殺されてばかりの端役を一生懸命に取り組む、目立たない男の生活を描いていく。
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「『宮松と山下』は、具体名を出して申し訳ないが、2006年に撮影した西川美和監督の『ゆれる』という映画の脚本を初見で読んで以来の異様な衝撃が走った台本だった」と本作の印象を明かした香川さんは、「ああ、久しぶりに芯のある演技をしているな...完成した作品は、やはり久しぶりの変態性に満ちていた。狂っている。褒め言葉だ。こんな映画が欲しかった」とコメントを寄せている。
香川さんのほかにも、津田寛治、尾美としのり、中越典子らが出演し、口数の少ない宮松の謎に包まれた現在と過去を展開していく。
また本作は、“新しい手法が生む新しい映像体験”を標榜し、過去に2本の短編映画がカンヌ国際映画祭から正式招待を受けた、東京藝術大学名誉教授・佐藤雅彦、NHKでドラマ演出を行ってきた関友太郎、多岐にわたりメディアデザインを手掛ける平瀬謙太朗の3人からなる監督集団「5月」が手掛ける。
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『宮松と山下』は11月18日(金)より新宿武蔵野館、渋谷シネクイント、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開。