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ウクライナの革命を本物のアスリートと映像で紡ぐ『オルガの翼』予告編

第74回カンヌ国際映画祭でSACD賞を受賞した『オルガの翼』が、渋谷ユーロスペースで9月3日(土)に公開。日本版予告編解禁。

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『オルガの翼』 (C) 2021 POINT PROD - CINEMA DEFACTO
『オルガの翼』 (C) 2021 POINT PROD - CINEMA DEFACTO 全 15 枚
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ロシアがウクライナ侵攻を開始する9年前、親ロシア派大統領の追放につながった革命に翻弄される15歳の体操選手を描き、第74回カンヌ国際映画祭でSACD賞を受賞した『オルガの翼』。日本版予告編と場面写真が解禁となった。

2013年、ユーロマイダン革命直前のキーウ。欧州選手権出場を目指しトレーニングに励む15歳の体操選手オルガは、親ロシア派のヤヌコーヴィチ大統領の汚職を追及するジャーナリストの母と共に何者かに命を狙われる。身の安全のためウクライナを離れたオルガは、父の故郷スイスのナショナル・チームに。

SNSを通じ、変わり果てた街や家族・友人が傷つく姿を遠くから見るしかないオルガ。しかし彼女も欧州選手権に出場するために、ウクライナの市民権を手放さなければならず――。政情が刻々と変化しオルガの心は大きく揺れる。夢を持って祖国を離れた15歳の少女は、この苦境をどう切り抜けるのか。


デモ参加者が現地で撮影した緊張感とプロのアスリートが生み出す迫力と躍動感


マイダン革命の映像は、全て実際にデモ参加者がスマートフォンで撮影した映像を使用。また、主人公オルガを演じるアナスタシア・ブジャシキナは2001年ルハンシク生まれ、欧州選手権出場歴のある本物のアスリート。彼女のほか、トップを目指す少女たちを国際大会出場レベルのプロのアスリートたちが演じている。

体操シーンの撮影は練習のペースに合わせて行われ、ドキュメンタリーかと見紛うほど。少女たちの呼吸、情熱、目線、ためらい、ミスなど、競技の合間の繊細な表情も見事にすくい取っている。

1994年生まれ、スイス出身の新たな才能エリ・グラップは、本作が初長編監督作にしてカンヌ国際映画祭SACD賞受賞の快挙。2015年、マイダン革命を経験したウクライナのバイオリン奏者による実話に深く心を動かされたグラップ監督は、2016年に脚本執筆をスタートさせ、5年の年月をかけて本作を完成させた。

アメリカのエンタメ業界紙「Variety」は「個人の野心と祖国への愛着。その狭間でもがく少女の葛藤を、見事に描いている」と絶賛し、同じく「SCREEN DAILY」は「強烈な存在感。隅々まで主演アナスタシアのパワーに満ちている」と現役アスリートである主演俳優に賛辞を送っている。

なお、主演のブジャシキナは、2022年2月のウクライナ侵攻を受け、危険な状況に晒されたため、スイスに移住するという、奇しくも映画の主人公と同じ状況となっている

この度解禁された日本版予告編は、2013年からキーウで起こった市民運動、ユーロマイダン革命の本物の映像素材から始まる。主人公は、ウクライナ人体操選手のオルガ。親ロシアの大統領を批判する記者の母とともに命を狙われ、単身スイスへと避難し、現地のナショナル・チームに参加する。

厳しい練習に耐えながら、故郷に残してきた家族や友人たちが傷ついていく様子を、国外から見守ることしかできず、心が引き裂かれるオルガの様子が映し出される。最後の「わたしは跳ぶ、この痛みを刻み付けて。」のコピーには彼女自身の身体と心の痛み、家族や友人たちの痛みを抱えて自分はどう生きていくのか、その覚悟が表現されている。

『オルガの翼』は9月3日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国にて順次公開。

《シネマカフェ編集部》

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