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現在と過去を行き来する“老いた男”の譲れない逃亡「ザ・オールド・マン~元CIAの葛藤」

ディズニープラスのオリジナルドラマ「ザ・オールド・マン~元CIAの葛藤」は、単なるスパイアクションスリラーとは一線を画した人間ドラマだ

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「ザ・オー ルドマン~元 CIA の葛藤」 (C)2022 Disney and its related entities
「ザ・オー ルドマン~元 CIA の葛藤」 (C)2022 Disney and its related entities 全 5 枚
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8月17日(水)よりディズニープラス「スター」で配信開始される「ザ・オールド・マン~元CIAの葛藤」は、文字通り“老いた男” (The Old Man)が主人公だ。2匹の忠犬を連れ、しがない隠遁生活を送っているように見えるが、元CIAの伝説的な工作員という顔を持っている。

その“老いた男” を演じるのが、『アイアンマン』の悪役や、『最後の追跡』『トゥルー・グリッド』といった作品で“保安官”のイメージも強いジェフ・ブリッジス。そして、海外ドラマファンにはエミー賞を受賞した「ザ・クラウン」のチャーチル首相役が印象深いジョン・リスゴーが、男を追うFBIの副長官を演じている。熟練の名優2人が織りなすのは、単なるスパイアクションスリラーとは一線を画した人間ドラマだ。

米国の作家トーマス・ペリーによるベストセラー小説「The Old Man」(邦題「老いた男」)をドラマ化した本作。主人公のダン・チェイス(ジェフ・ブリッジス)は、30年前にアメリカ政府と対立してCIAから逃亡して以来、2匹の犬とともに人知れず生きてきた。

だが、ある日突然、何者かに襲撃されたチェイスはその男を瞬時に倒し、名前を変えて逃走する。一方、FBIの副長官ハロルド・ハーパー(ジョン・リスゴー)は、そんなチェイスと複雑な過去があったことから彼を追い詰めるよう指示される。しかし、当局の予想以上にチェイスの逮捕は難航、高度な訓練を受けた特殊部隊も彼を追うことになるのだ。

チェイスは、認知症を患っていた妻を亡くしている。そして、彼自身もやや認知機能に問題が生じているように見てとれる。チェイスは逃亡しながら、1987年、旧ソ連によるアフガニスタン侵攻中に現地のゲリラ組織との間に起きた出来事に思いを馳せており、“すべてを食い尽くす獣”とまで呼ばれた過去がフラッシュバックする。ひとり娘のエミリーとは常に電話で会話をして“近況報告”をしているが、本当に娘なのかと思うほど、どこかよそよそしげで事務的な物言いが引っかかる。

傍目には妻に先立たれ、娘に頭の上がらない“老いた男”にしか見えないのに、このチェイスがとにかくハチャメチャに強いのだ。腕利きの暗殺者や特殊部隊など、彼に接触しようとする者をことごとく、時には満身創痍となりながらも確実に抹殺していく。老猾な一面ものぞき、しぶとく、決して侮れない。この“老いた男”は一体、何者なのか。一体、何をしたのか。なぜ、追われているのか。

幾つものの謎を抱えた物語は、現在と過去を行き来しながら、おぼろげだったダン・チェイスというキャラクターの人物像と彼が逃亡する理由を少しずつ浮かびあがらせる。それはアクションスリラーというよりも、愛情や信念、尊厳といった人間として最も根源的な、大切なものを守るために“逃げる”ことを選択した者の再生の旅路である。

演じるジェフ・ブリッジスの、孤高の強さを持ちながらもやさぐれた佇まいは、アカデミー賞主演男優賞に輝いた『クレイジー・ハート』(09)のアルコールにどっぷり浸かった落ち目のカントリーシンガーの工作員版のようでもある。逃亡の途中で、ある孤独な女性ゾーイ(エイミー・ブレネマン )と出会い、愛を交わすのも同作とよく似ているが、彼の中の“荒ぶる魂”(クレイジー・ハート)は自身が失った過去とどこか他人行儀な愛娘を守るためのみに捧げられているように思えるのだ。

テリー・ギリアムの『フィッシャー・キング』(91)やコーエン兄弟『ビッグ・リボウスキ』(98)といった鬼才の作品から、『アイアンマン』(08)『トロン:レガシー』(10)『キングスマン:ゴールデン・サークル』(17/いずれもディズニープラスで配信中)などの大作までジャンルを問わず活躍し、70歳を越えたブリッジスが、ここまで身体を張ったアクションに挑んでいるのは貴重だ。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のジョン・ワッツ監督らとともに製作総指揮も手掛けており、傷だらけの情けない姿をさらしながらも守るべきもののために逃げ続ける、老いた一匹狼のような凄みがある。

その彼を必死に追うのがまた、ジョン・リスゴーという激シブ俳優だ。鋭い洞察と経験値でチェイスに迫っては逃げられてしまう。FBIには、リスゴー演じるハーパーの関与を疑う若き捜査官ウォーターズ役のE.J.ボニラ(『ジェミニマン』)もいるのもポイント。

また、アダムス捜査官役のアリア・ショウカット(「ビッグマウス」「トランスペアレント」)という今後注目の存在に出会えたことも嬉しい。アメリカではすでにシーズン2の制作が決定しており、“老いた男” ダン・チェイスの逃走劇は、そう簡単に幕は降りないようだ。

「ザ・オールド・マン~元CIAの葛藤」は8月17日(水)よりディズニープラスの「スター」にて独占配信開始。


ディズニープラスで「ザ・オールド・マン~元CIAの葛藤」を視聴する

(C) 2022 Disney and its related entities

<提供:ウォルト・ディズニー・ジャパン>

《シネマカフェ編集部》

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