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普遍のテーマ<母と娘>を描く映画『秘密の森の、その向こう』『母性』ほか

セリーヌ・シアマ監督の待望の新作『秘密の森の、その向こう』をはじめ、この秋、映画館で観られる注目の<母と娘映画>をピックアップ! また、シアマ監督お気に入りの<母と娘映画>は?

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『秘密の森の、その向こう』(C)2021 Lilies Films / France 3 Ciném
『秘密の森の、その向こう』(C)2021 Lilies Films / France 3 Ciném 全 11 枚
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女性を巡る人間ドラマとして、いつの世もクローズアップされるのが<母と娘>。近年だけでも『ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語』や『湯を沸かすほどの熱い愛』、『真実』など多くの名作があるが、女性監督としての世界的評価を前作『燃ゆる女の肖像』で確かなものにしたセリーヌ・シアマ監督の待望の新作『秘密の森の、その向こう』も、この<母と娘>がテーマとなっている。

そこで、この秋、映画館で観られる注目の<母と娘映画>をピックアップ! また、シアマ監督に聞いた、お気に入りの<母と娘映画>も合わせて紹介する。


■セリーヌ・シアマ監督『秘密の森の、その向こう』


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主人公である8歳の少女ネリーが、自分と同じ年の時の母親と出会うという驚きと奇跡に満ちた物語。第71回ベルリン国際映画祭コンペティション部門での上映を皮切りに、各国の映画祭で上映され惜しみない絶賛評を受け続けている。

シアマ監督は、真骨頂である女性の深淵を描きつつ、娘、母、祖母という三世代の女性を思いもよらない方法でつなぐ奇跡のような作品を完成させた。同じ年の母と娘が出会うという本作は、あるとき、「ひとつのビジュアルのイメージがふっと降りてきた」ことから始まったという。

森の中にある小屋の前に2人の女の子が立っているというシンプルなイメージから、それを母と娘にしたいと考えた監督は、徹底的に物語を掘り下げたという。この思いもよらない設定について、監督は「あらゆる人の身に起きる可能性のある状況にしたかったし、私自身の個人的かつプライベートな解釈も入れ込みたかったんです。子ども時代の親と出会うという設定は、多くの人が自分自身に置き換えて想像することができるし、親子の関係を見直すことにもなります。このアイデアを練り上げるのは、本当に楽しかったです」とふり返る。


セリーヌ・シアマ監督が好きな<母と娘映画>は?


本作の日本公開に寄せて、シアマ監督自身が好きな<母と娘映画>をいくつか教えてくれた。最近の映画の中ではディズニー&ピクサー『私ときどきレッサーパンダ』(ドミー・シー監督)がお気に入りだそうで、4回も鑑賞したそう。

ほかにも、スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマン監督が手掛けた母と娘映画は「衝突をすると娘の関係を深く掘り下げていました」と語り、具体的には『秋のソナタ』『叫びとささやき』を挙げた。さらに、「母娘映画とは言えないかもしれないけれど、とても強烈な印象が残った」と語るのが細田守監督作『おおかみこどもの雨と雪』。同作からは、『秘密の森の、その向こう』の製作にあたってインスピレーションを受けたことを明かしてくれた。

『秘密の森の、その向こう』は9月23日(金・祝)よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開。


■ゲイソン・サヴァット監督『ドライビング・バニー』


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ある事情から、妹夫婦の家に居候中の40歳のバニー(エシー・デイヴィス)は、娘とは監視付きの面会交流しかできない。ある日、妹の新しい夫ビーバンが継娘のトーニャ(トーマシン・マッケンジー)に言い寄る光景を目撃。2人は一緒に逃避行を始めることに。

普通の家庭生活を送りたいと願う、経済的弱者たち。絶望という言葉すらよぎる厳しいドラマを、ゲイソン・サヴァット監督がユーモアと茶目っ気たっぷりのロードムービーに転換し、描き出していく。第20回トライベッカ映画祭審査員特別賞ほか世界で賞賛され、米批評サイトのロッテントマトで100%を獲得した心揺さぶる衝撃作。

『ドライビング・バニー』は9月30日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国にて公開。


■戸田恵梨香×永野芽郁×湊かなえ『母性』


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大ヒットを記録した『告白』の原作者・湊かなえが執筆し、累計発行部数100万部を突破した同名の問題作が、戸田恵梨香と永野芽郁の共演により映画化。

女子高生が遺体で発見された。その真相は不明。事件はなぜ起きたのか? 真相を紐解くキーワードは“母性”。普通に見えた日常に、静かに刻み込まれた傷跡。母と娘の不穏な関係性が、事件にまつわる2人の視点の違いととも描かれていく。

『母性』は11月23日(水・祝)より全国にて公開。


■カナダ版アカデミー賞で8冠『灼熱の魂』デジタル・リマスター版


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本作は、主人公である初老の女性ナワルの死から始まる。ナワルは謎めいた遺言と2通の手紙を残しており、実の子である双子の姉弟ジャンヌとシモンが存在すら知らされていなかった兄と父親に宛てられていた。双子の姉ジャンヌは遺言に導かれ、母親の昔の写真を手に初めて母の祖国の地を踏み入れる。波乱万丈という言葉では言いつくせない母の余りに壮絶で数奇な人生と、自分の足で自分たち家族が持つ宿命をひとつずつ探り当てていく娘を描き出していく。

『DUNE/デューン 砂の惑星』などハリウッドで最も注目される監督のひとり、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の出世作としても注目の2010年の作品。第83回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート、カナダ版アカデミー賞であるジニー賞で作品賞・監督賞・主演女優賞など8部門独占を果たしたほか、30か国以上の映画祭で上映され高い評価を獲得した。

『灼熱の魂』デジタル・リマスター版はヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国にて公開中。

《シネマカフェ編集部》

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