キーラ・ナイトレイ主演、あらゆる生物を死滅させる謎の猛毒ガスが充満した世界で“地球最後のクリスマスイブ”を過ごす家族の姿を描く『サイレント・ナイト』。この度、『ジョジョ・ラビット』でも話題を呼んだローマン・グリフィン・デイヴィス演じる主人公の息子が「猛毒ガスの脅威と苦痛をなくす」と国が推奨する【EXITピル】について検索、その実態が明らかになるシーンの本編映像が解禁。また、監督カミラ・グリフィンのコメントも到着した。
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今年のクリスマスはいつもと違っていた。地球上のあらゆる生き物を死滅させる謎の猛毒ガスが、明日にもイギリスに到達するのだ。政府の広報サイトによれば、ひとたび毒ガスを吸引した者は神経系統を破壊され、おびただしい出血とともに死に至るという。
もはや毒ガスから逃れる術はなく、政府は【EXITピル】という自殺用の薬を国民に配布し、それを飲んで“尊厳ある死”を選択するよう推奨していた。「EXIT」という名称はBREXIT(英国のEU離脱を指す造語)をもじって名づけられている。
そんな残酷な聖夜に集まった大人たちは、さんざん悩んだ結果、クリスマスパーティーの終了後にこの【EXITピル】を飲み、みんなで安らかな死を受け入れるという“協定”を結んでいた。
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一方、何も聞かされていない子どもたちは、毒ガスの原因をめぐり「ロシアの陰謀説」「環境が悪化した地球による復讐説」など、それぞれの主張をぶつけ合う。そんな中、ネル(キーラ・ナイトレイ)とサイモン(マシュー・グード)の息子のアート(ローマン・グリフィン・デイヴィス)は、寝室に隠れてスマホで猛毒ガスについて検索し、【EXITピル】の存在を知って激しく動揺する…。
大人たちは、「私たちに責任はないの ガスもピルも…」「ただベストな道を選びたいだけ」「守りたいの みんなが苦しまないように」などと、子どもたちにこの【EXITピル】を飲まざるを得ない状況を説明するが、アートは納得できない様子だ。
カミラ・グリフィン監督の言葉
「私たちがこのプロジェクトを開始したのは、新型コロナウイルスが蔓延する前だったという点を述べておきたいと思います」と監督。「私たちは誰ひとりとして、パンデミックがこのように破滅的な影響を世界に与えることを予測、または想像することさえできませんでしたが、本作が反ワクチン的なメッセージを含んでいないという点は断言しておきたいと思います」と言う。
「私は映画製作者として、政府が自身の過ちに対して責任を負わないこと、また弱者に対しても責任を負わない政府の道徳性に疑問を呈しました」と作品の意図を話し、「登場人物の少年アートはすべての人の意見を信じています。アートは命を救うワクチンではなく、自殺用のピルの使用を疑問視しています。アートは決して医学の信頼性を疑っているのではありません。彼は非常事態における情報の通達や、コミュニケーションに対して疑問を呈しているのです。どうか私の映画が誤解を招きませんように」と、本作に込めたメッセージを語っている。
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『サイレント・ナイト』は11月18日(金)よりグランドシネマサンシャイン 池袋ほか全国にて公開。