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前田敦子主演『旅のおわり世界のはじまり』、アルジェリア発『パピチャ』ほかW杯開催地の意外な製作映画

中東で初めての開催地となったカタールは、アジアやヨーロッパとの合作映画が数多く、日本にも紹介されている。

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『旅のおわり世界のはじまり』(C)2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO
『旅のおわり世界のはじまり』(C)2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO 全 15 枚
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4年に1度開催されるFIFAワールドカップのカタール大会(以下、W杯)。中東で初めての開催地となったカタールは、アジアやヨーロッパとの合作映画が数多く、日本にも紹介されている。その中から5作品をピックアップした。


W杯が開催されるカタールって?


今回の開催地カタール国は、アラビア半島からペルシャ湾に突き出たカタール半島に位置する首長国。首都はドーハ。1971年にイギリス保護領から独立した。公用語はアラビア語。人口は266万人(2021年10月、カタール庁統計)。国土の大部分は砂漠で、緯度上では沖縄本島の南端から台湾北端ほどの位置にあたり、面積は11.427平方kmと秋田県よりやや狭いくらいの広さ(在カタール日本大使館HPより)。

時差は日本より6時間遅れとなり、日本代表の第1戦ドイツ戦キックオフの11月23日16時は日本時間の22時にあたる。

また、「ドーハの悲劇」という言葉を聞いたことがある人も多いかもしれない。1994年開催のW杯アメリカ大会出場を目指したアジア最終予選の最終戦、ドーハのアルアリ・スタジアムで行われた対イラクの試合でロスタイム中に同点に追いつかれ、あと一歩のところでW杯初出場を逃したことから、そう呼ばれる。当時の日本代表メンバーだった森保一監督が、今回の代表チームを率いている。


『旅のおわり世界のはじまり』


日本・ウズベキスタン・カタール合作/2019年

主演に前田敦子、共演に加瀬亮、染谷将太、柄本時生らを迎え、シルクロードの中心地・ウズベキスタンで全編ロケを行った『スパイの妻』『散歩する侵略者』の黒沢清監督作品。

テレビ番組リポーターの主人公・葉子が番組のクルーとウズベキスタンを訪れ、自分はこのままでいいのか、本当は何がしたいのか、心迷いながら異国の地での取材に奮闘する。前田さんは美しい装飾の施された日本人縁の「ナボイ劇場」での交響楽団の伴奏に合わせた歌唱に加え、クライマックスでは標高2,443mの山頂で、アカペラで「愛の賛歌」を熱唱した。


『パピチャ 未来へのランウェイ』


フランス・アルジェリア・ベルギー・カタール合作/2019年

アルジェリアに育ち、内戦下に家族とフランスに移住したムニア・メドゥール監督自身の経験から生まれた作品。カンヌ国際映画祭ある視点部門に正式出品され、アカデミー賞国際長編映画賞のアルジェリア代表となったが、本国では上映禁止に。

1990年代のアルジェリア。ファッションデザイナーを夢見るネジュマ(リナ・クードリ)は、イスラム原理主義の台頭のなか、自由と未来と尊厳のために大学でのファッションショー開催を目指す。そんな“パピチャ”(愉快で魅力的で常識にとらわれない自由な女性)たちの闘いは必見。


『MEMORIA メモリア』


コロンビア・タイ・フランス・ドイツ・メキシコ・カタール合作/2021年

ティルダ・スウィントンを主演に迎えた、『ブンミおじさんの森』などで知られるタイの名匠アピチャッポン・ウィーラセタクンの監督最新作。本作で初めてタイ国外、南米コロンビアで撮影し、カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した。

監督が実際に体験した「脳内爆発音症候群」をもとにティルダを念頭に当て書きされた主人公ジェシカは、あるときから自分にしか聞こえない不可思議な【音】に悩まされるように。ジェシカが【音】に導かれるように彷徨い、考古学者や魚の鱗取り職人らと出会ううちに予想もしない境地へと物語は向かう。


『ミッドナイト・トラベラー』


アメリカ・カタール・カナダ・イギリス合作/2019年

タリバンから死刑宣告を受けた映像作家ハッサン・ファジリが、妻と2人の娘を連れてアフガニスタンから脱出、ヨーロッパを目指す5600kmのもの旅を3台のスマートフォンで撮影したセルフドキュメンタリー。サンダンス映画祭ワールドシネマドキュメンタリー審査員特別賞など多くの賞に輝く。

砂漠や平野、山を越え、荒野を彷徨う、その旅は命がけ。撮影できることが、生きている証となる。故郷を追われて難民になるとはどういうことか、その現実を容赦なく突きつける。


『ハウス・イン・ザ・フィールズ』


モロッコ・カタール合作/2017年

弁護士を夢見る少女ハディージャとその姉のファーティマは、モロッコの山奥で暮らすアマズィーグ人の姉妹。ある日、ファーティマが学校を辞めて結婚することに。ハディージャは大好きな姉と離れる寂しさを感じ、自分も姉と同じ運命を辿るのかと不安を募らせていく。

世界的建築家ザハ・ハディドを叔母に持つタラ・ハディド監督が、7年にわたって現地に通い、彼らと寝食をともにしながら親密な距離感でとらえたドキュメンタリー作品。

女性やLGBTQ、外国人労働者などの人権問題の観点から批判・抗議が相次いでいる今回のW杯。少なくとも今回紹介した映画には、いま懸命に闘い、前を向いて生きようとする者たちの姿(主に女性たち)が収められている。

「FIFAワールドカップ カタール 2022」は現地時間11月20日(日)より開幕。全64試合はABEMAにて無料生中継が決定している。


「FIFAワールドカップ カタール 2022」ABEMAにて無料生中継
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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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