カンヌ映画祭グランプリ受賞の話題作『コンパートメントNo.6』より、日本版予告編と場面写真が解禁された。
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本作は、長編デビュー作『オリ・マキの人生で最も幸せな日』(2020年日本公開)でカンヌ映画祭「ある視点」部門グランプリを受賞したユホ・クオスマネン監督の長編第2作。恋人にドタキャンされ、世界最北端の駅へ向かう寝台列車に1人で乗り込んだ学生ラウラと、同室になった粗野な炭鉱夫のリョーハの、最悪の出会いからはじまる最愛の旅を描く。
この度解禁となった日本版予告編は、フィンランドから留学中の学生ラウラがモスクワで寝台列車に1人で乗り込むシーンから始まる。同室となった粗野なロシア人の炭鉱夫リョーハの振る舞いや言動にうんざりし、「フィンランド語で『愛してる』はどう言う?」と酔っ払って問いかけるリョーハに対し、「“ハイスタ・ヴィットゥ”(くたばれ)よ」と答えるラウラ。
よくある“ロスト・イン・トランスレーション”なやりとりからは、2人の関係性が親密になっていくことを予感させるが、その後のシーンではラウラの元恋人が女性であることも描かれ、本作がいわゆる恋愛映画とは違うことも感じさせる。ラウラにとってリョーハは一体、どのような存在となっていくのだろうか?
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挿入されるレビュー「型破りなラブ・ストーリー(Empire Magazine)」、「世界の見方が変わるような映画(Awards Rader)」、「偶然の出会いと心に刻まれる小さな瞬間が美しい(Midnight East)」というコメントもヒントのように引用され、カンヌでグランプリの栄冠に輝いた本編への期待が高まっていく。
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なお、ラウラの元恋人の女性を演じているのは、ヴィターリー・カネフスキー監督の傑作『動くな、死ね、甦れ!』で主演の少女ガリーヤを演じたディナーラ・ドルカーロワ。映画ファンには嬉しいワンカットも登場する。
また、予告編で流れている楽曲は、1986年にフランス人のDesireless(デザイアレス)が歌い、ヨーロッパ中で大ヒットした「Voyage Voyage」。「旅」というストレートなタイトルを持つ同曲は、80年代っぽいフレンチ・エレクトロニック・ディスコで、1990年代を舞台にした本編でも時代性を感じさせて印象的に使用されていることから、予告編でも全面的に採用された。
地球最北端の駅ムルマンスクを目指す長い道中で、次第にラウラのまなざしや雰囲気が変化していく様子とシンクロし、これが彼女にとってエモーショナルな旅になることを予感させる予告編となっている。
『コンパートメントNo.6』は2023年2月10日(金)より新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。