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イザベル・ユペール主演作ほか「マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル」今年も開催

今年もオンライン映画祭「マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル(MyFFF)」が開催。コンペティションの審査員に『PLAN75』の早川千絵監督が決定、また、全29作品のラインアップが発表された。

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『ジョーンについて』
『ジョーンについて』 全 32 枚
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1月13日より2月13日まで、オンライン映画祭「マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル(MyFFF)」が開催。コンペティションの審査員に『PLAN75』の早川千絵監督が決定し、全29作品のラインナップが発表された。

「MyFFF」は、毎年約200の国と地域で約1,000万回の視聴回数を記録し、2020年に10周年を迎えたオンラインのフランス映画祭。新型コロナウイルス感染拡大の影響による各国の非常事態宣言を受けて実施した「おうちにいよう MyFFF STAY HOME EDITION」では、特別に90作を超える長編および短編を無料配信し、大好評を得た。

2021年は2年ぶりに開催されたカンヌ国際映画祭の期間中に過去のカンヌ映画祭上映作となる「カンヌ特別版」を無料配信するなど、様々な取り組みを実施。過去12回の開催を経て、日本は常に視聴回数で上位に入る主要国となっており、視聴総回数は毎年増加傾向にある。

今年のラインアップはコンペティション部門の長編・短編それぞれ10作品に加え、短編アニメーションやクラシック作品を含む全29作品。日本国内ではそのうち28作品を配信する。

長編作品には、『ポルトガル、夏の終わり』『エル ELLE』イザベル・ユペール、『ペルシャン・レッスン 戦場の教室』ラース・アイディンガー、『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』スワン・アルロー、『キーパー ある兵士の奇跡』フレイア・メーバーなど豪華キャストが共演し、1人の女性の半生を3つの時間軸で描く『ジョーンについて』

『ジョーンについて』

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022最優秀作品賞受賞作で、繊細な少年の心の揺らめきを追った『揺れるとき』、現代フランス社会の周縁に生きる人々を見つめてきたアリス・ディオップが監督し、2021年ベルリン映画祭エンカウンターズ部門の作品賞を受賞したドキュメンタリー『私たち』など各国の映画祭で高評価を得た多様な作品が目白押し。

『私たち』©Sylvain Verdet

短編作品には、名匠オリヴィエ・アサイヤス監督を語る上で欠かせない初期の短編作品『東京の闇』(1983年)が登場。前衛的な演出の本作を国内で試聴できる貴重な機会に。計17作にのぼる短編作品は全て無料配信となっている。

また、各国の映画人からなるコンペティションの審査員にはユホ・クオスマネン(『コンパートメントNo.6』)、セルゲイ・ロズニツァ(『バビ・ヤール』『ドンバス』)ら鬼才たちに加え、カンヌ国際映画祭「カメラドール 特別表彰」を授与された『PLAN75』の早川千絵監督が決定、コメントも到着している。

<早川監督コメント>
21年初頭パリに滞在し、フランスのスタッフとともに映画の仕上げをするという機会に恵まれました。老若男女多くの人々が映画を愛し、作られた年代も国も異なる様々な映画を日常的に見られるフランスという国は真の映画大国だと思いました。そんなフランスの若い才能に出会えるMyFFFに審査員として参加させていただけることを光栄に思います。

MyFFFは公式サイトのほか、国内の各動画配信サイトでも視聴可能。また、上映を再開したアンスティチュ・フランセ東京のエスパス・イマージュにて「スクリーンで見よう マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル」を開催(1月下旬~2月上旬を予定)。過去の配信作品から厳選した人気作と新作をスクリーン上映する。

長編作品ラインアップ

『行く先/後世』


テーマ:DOING IT THEIR WAY
作家を夢見るいまどきの若者、ラビディ。シェアルームに住みながら、なんとか生活しているが、エリザとの出会いにより表面的な自分の生き方を見直すようになる。作家志望の男の不安定さを通して、いまどきの若者が抱える危機感がうまく表現されている。


『ブラッド・オレンジ』


テーマ:DOING IT THEIR WAY
ダンスコンテストで優勝して借金を返済しようともくろむ老夫婦、金銭スキャンダル発覚に怯える経済担当相、性的倒錯者と出会ってしまった少女、それぞれの長い夜が始まる。様々なジャンルを織り交ぜ、現代社会にひそむ魔物を皮肉たっぷりに描き出し、権力の仕組みを自由かつ大胆に風刺したダークコメディ。


『そんなの気にしない』


テーマ:DOING IT THEIR WAY
『ファイブ・デビルズ』『アデル、ブルーは熱い色』のアデル・エグザルコプロ主演。格安航空会社の客室乗務員をしている26歳のカサンドラ。フライトからフライト、パーティーからパーティーを渡り歩く毎日だが、ある災難をきっかけに、地に足の着いた世界と再びつながることを余儀なくされる。第75回カンヌ国際映画祭批評家週間出品。


『波の間に』


テーマ:FRANCE HAS GOT TALENT
夢のために突き進み、転んでは立ち上がり、また夢を見て…。若さゆえのエネルギーと明るさを武器に、スターになろうともがく怖い物知らずのマルゴとアルマ。強い友情で結ばれた彼女たちを止められるもなんてない。パリを舞台に、女優という夢をひたむきにおいかける2人の女性の姿をリアルに描いた1作。彼女たちが演技にかける情熱、喜び、葛藤が観る者の胸を打ち、運命につぶされそうな彼女たちを応援せずにはいられない。


『マグネティック・ビート』


テーマ:FRANCE HAS GOT TALENT
1980年代初頭のとある小さな地方都市。独特のカリスマ性をもつ兄ジェロームの影に隠れ、父親のガレージからラジオの海賊版放送を送りつつ兵役に怯えながら暮らすフィリップは、ひとつの時代が終わろうとしていることに気づかずにいる。

独立系ラジオの誕生、左翼の台頭、80年代の始まり…時代のうねりの中で、世界を変えることを夢見る兄弟の姿を描いた、ヴァンサン・マエル・カルドナ監督の長編デビュー作。政治に幻滅する若者がロック音楽に夢中になっていく、この時代特有の複雑な状況が見えてくる。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022 監督賞受賞。
協力:SKIPシティ国際Dシネマ映画祭


『ザ・クロッシング』


テーマ:KIDS TURNED OUT FINE
略奪により村を追われ一家で逃げ出すも、途中で両親と生き別れになってしまったキョナとアドリエル。数多の試練を乗り越えながら世界を横断していく姉弟は自由な新世界に到達できるのか。フローランス・ミアイユ監督が、「より良い未来を求め、いつの日か祖国を去るすべての人」、1905年にユダヤ人迫害から逃れるためにオデッサを追われた、監督自身の祖母と母親のために制作したという。幼年期から青年期へ移行と亡命をテーマにした、心をつかむアニメーション作品。
協力:SKIPシティ国際Dシネマ映画祭


『揺れるとき』


テーマ:KIDS TURNED OUT FINE
ロレーヌ地方の低所得者層向け団地に暮らす10歳の少年、ジョニー。大人びていて、若い母親の恋愛模様を観察する毎日。その年、担任になった若いアダムスキー先生に背中を押され、ジョニーは新しい世界への扉を開こうと踏み出す。

デビュー作『パーティーガール』が高評価を得たサミュエル・タイス監督の長編第2作。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022 最優秀作品賞(グランプリ)受賞。
協力:SKIPシティ国際Dシネマ映画祭


『ジョーンについて』


テーマ:FACES+ PLACES
自由奔放で冒険を恐れないジョーン・ヴェラは、自立した女性で、たくさんの恋愛を経験してきた。そんな彼女の前に、若かりし頃の大恋愛の相手が突然現れる。実の彼の子どもを出産していたという事実を彼に打ち明けようとしないジョーン。この再会をきっかけに、ジョーンは自身の人生、アイルランドで過ごした青春時代、キャリアの成功、愛する人々、そして息子との関係を見つめなおすようになる。

3つの異なる時間軸でストーリーが紡がれていく、ローラン・ラリヴィエール監督長編第2作。ジョーン役を演じたフレイア・メーバーとイザベル・ユペールの神々しくも官能的な演技は、フィクションがもつ癒しの力とその必要性を気づかせてくれる。


『私たち』


テーマ:FACES+ PLACES
パリを南北に走るRER(イル=ド=フランス地域圏急行鉄道網)B線沿い、「郊外」と呼ばれる地域に暮らす人々を追ったドキュメンタリー作品。移民の整備士、サン=ドニ大聖堂でルイ16世の死を悼む信心深い人々、患者宅を訪問する看護師、かつてドランシー収容所に収監された人々の記憶、夏の静けさを楽しむ若者たち、作家、狩猟愛好家、監督自身の幼少期の思い出の場所…。数々の断片が全体を構成し、「私たち」の全貌が見えてくる。

共存をテーマに、映画の役割を違った角度から感じさせる1本。2023年アカデミー賞フランス代表作品『St Omer』監督作。2021年ベルリン映画祭エンカウンターズ部門作品賞受賞作品。


フランス語圏カナダ招待作品『ブートレッガー 密売人』


テーマ:UNDER YOUR SPELL
モントリオールの法学生マニは、生まれ育ったケベック州北部の先住民居留区に舞い戻り、居留地でのアルコール販売の自由化をめぐる議論に参加するように。一方、白人のローラは、村議会と恋人のレイモンを盾に、酒の密売を公然とおこなっている。マニの帰郷により、コミュニティは二分され対立が激化していく。

現代アート出身のキャロリーヌ・モネ監督長編デビュー作。ケベック州北部の先住民コミュニティにおける禁酒法と密売の関係にフォーカスし、先住民コミュニティの自治の必要性を訴える。


クラシック作品『愛の記念に』


テーマ:UNDER YOUR SPELL
15歳のシュザンヌは家族の問題から逃れるかのように、奔放に男と遊び歩くが、誰のことも好きになれない。ジャックに出会うまでは…。

主演のサンドリーヌ・ボネールは、姉のキャスティングオーディションに同行していたところをモーリス・ピアラ監督に見出され、本作に抜擢された。ピアラ本人も父親役で登場。映画公開から40年を経ても、サンドリーヌ・ボネールの清流のような存在感、フランス映画史に残るマスターピースの脚本・演出の魅力を堪能できる。


短編作品ラインアップ

『カタラクト ぼやけた世界』テーマ:DOING IT THEIR WAY
『ダビデ王』テーマ:DOING IT THEIR WAY
『パロマ』テーマ:FRANCE HAS GOT TALENT
『バイバイ』テーマ:FRANCE HAS GOT TALENT
『マリアンヌ』テーマ:KIDS TURNED OUT FINE
『僕たちの城』テーマ:KIDS TURNED OUT FINE
『ティタン』テーマ:KIDS TURNED OUT FINE
『獣を解き放て』テーマ:UNDER YOUR SPELL
『海辺の女』テーマ:UNDER YOUR SPELL
『港町マルムスク』テーマ:FACES + PLACES
フランス語圏カナダ招待作品『美しき大河』テーマ:FACES + PLACES

クラシック作品『東京の闇』
テーマ:FACES + PLACES
舞台は東京とパリ。スパイの疑いをかけられた女性作家が小説と現実の世界を行き来する。オリヴィエ・アサイヤス監督を語る上で欠かせない初期の短編作品。前衛的な演出と実験的な構成で、B級映画とフィルム・ノワールの要素を併せ持つ作品。スタジオでモノクロ撮影された東京の風景が作品に趣を加える。公開から40周年を迎えたいまこそ、アサイヤス監督の豊かな映像表現の萌芽を感じられる本作を再発見する。


ENJOY THE SILENCE(セリフのないアニメーション特集)

『不安な体』監督 水尻自子
『2本のトランペットのための物語』監督 アマンディーヌ・メイエール
『スズメバチ』監督 ジュリエット・ラボリア
『触らないで!』監督 キャプシーヌ・グジュレ
『夜警』監督 ジュリアン・ルニャール

『不安な体』

第13回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル(MyFFF)は1月13日~2月13日、各配信サイトにて配信開始。


短編及び長編:公式サイト、U-NEXT、Dice+、VideoMarket、ぷれシネ、ビデックスJP、music.jp、FOD、ミレール
長編のみ:GYAO! ストア、Rakuten TV、MBS動画イズム、Apple TV、MUBI、Google play、GagaOOLala、Amazon Prime Video
短編のみ:GYAO!、YouTube、Facebook、Dailymotion
*視聴する地域、配信サイトにより、配信作品、配信期間が変わることがあります。

《シネマカフェ編集部》

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