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「クィア映画としても、日本映画史上まれにみる傑作」ドリアン・ロロブリジーダが称賛『エゴイスト』

映画『エゴイスト』の公開記念舞台挨拶が2月11日に行われ、主演の鈴木亮平、共演の宮沢氷魚、阿川佐和子、ドリアン・ロロブリジーダ、監督の松永大司が上映後、感極まった様子の観客たちの前に登壇。

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『エゴイスト』公開記念舞台挨拶 (C)2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会
『エゴイスト』公開記念舞台挨拶 (C)2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会 全 6 枚
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映画『エゴイスト』の公開記念舞台挨拶が2月11日に行われ、主演の鈴木亮平、共演の宮沢氷魚、阿川佐和子、ドリアン・ロロブリジーダ、監督の松永大司が上映後、感極まった様子の観客たちの前に登壇し、本作への思いを語った。


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自然と拍手がわき起こる中、ステージに登壇した鈴木さんが「映画はいかがだったでしょうか?」と観客に問いかけると、会場からはさらに大きな拍手が。その様子に笑顔を見せた鈴木さんは「ついにこの日を迎えたなという心境です。いろいろなことがありましたが、それについては今日、皆さんの前で話せたら」とコメント。続く宮沢さんも「全国公開されたことをうれしく思います。すばらしいキャスト監督の皆さまと一緒にこのステージに立てること、うれしく思っております」と呼びかけた。


宮沢氷魚、エゴサーチしたら「亮平さんのツイートが…」


2月10日に初日を迎えた本作は、全国で満席となる劇場が続出するなど、好調なスタートを切っている。鈴木さん、ドリアンさん、そして松永監督は実際に初日に劇場に足を運び、観客の熱量を体感したそう。宮沢さんと阿川さんもSNSなどでその熱量は感じていたという。

そんな中、宮沢さんは「普段はエゴサーチはしないんですが、この作品ではしています。『エゴイスト』と入れると、映画の感想がバーッと出てくるんですが、その中に(鈴木)亮平さんのツイートがあって。昨日、劇場に行ってきたと書いてあったんですが『亮平さん、誘ってよ』と思いました。スケジュール的に行けなかったんですが」と笑いながら付け加えた。

一方の鈴木さんは、1月19日に行われたプレミア試写会の際に「『エゴイスト』だけにエゴサーチをしますので、どんどん感想を書いてください」と呼びかけていたが、その言葉通り「ひとツイートも逃さず。批判も称賛も全部見ました。うれしかったですね」と切り出すと、「ほとんどの方が褒めてくれる内容でしたし、そうでない方もなるほどなと思わせるような内容でした」と語り、笑顔を見せた。

また登壇者たちにとっても、映画を通じて思うことは多かったようだ。宮沢さん演じる龍太の母・妙子を演じた阿川さんは「この役を演じて何かが変わったと自覚するのは難しいのですが、たぶん今回の経験は、この先にジワジワと自分の中で育っていくんじゃないかなと思います。今日ここに来るまでは、昨日の(雪の)天気とは違ったすばらしい青空で。これは東京なのかと思うくらいに空気が澄み切っていて。だから今日、この映画をご覧になった方々が、(劇場の)外に出て、この美しい外の空気と、美しい空を見て。これから新しい時間が始まるぞという思いでかっ歩して。おうちに帰ってくださるような。そんなことを考えながら青い空を見ました」との言葉で感想を明かした。


ドリアン「本当に今の僕たちの映画だよね」という感想が「うれしくて」


さらに浩輔の友人を演じたドリアンさんは、「わたしはゲイ当事者のひとりとして出演させていただいて。同じゲイの皆さんからも感想をいただいているんですけど、その中に『今までの日本映画の中では、描き方にしても、キャラクターにしても、なかなか自分のことと思える映画ってなかったんですけど、この映画に関しては、あまりにも自然すぎて。映画であることを忘れてしまうくらい、本当に自分事だし、明日は自分の身に起こることかもしれないと。本当に今の僕たちの映画だよね』という感想があって。その感想がうれしくて。そうした作品に関わらせていただいたこともすごく誇りに思いました」と晴れやかな表情で、「クィア映画としても、日本映画史上まれにみる傑作だと思います」と当事者の立場から称賛の声をあげた。

それを聞いた松永監督も「映画ってひとりでは作れなくて。原作の高山さんをはじめ、(書籍の)編集の方、プロデューサーなど、いろんなひとたちが関わっている。本当にいいチームでやらせてもらっているなと、しみじみと感じております」と語ると、「ありがとう、みんな!」と登壇者たちに呼びかけた。

そして最後のメッセージを求められた鈴木さんは、「この映画には答えがないと思うんです。観ていただいた方がこれを愛と思うか、エゴと思うか、依存しあっているだけの関係だと思うのか。本当に人それぞれだと思います。もしかしたら、これからの人生のどの瞬間に観るのかということによっても、捉え方が全然違う映画なんじゃないかなと思います」と言い、「いろんなものを提示しているこの映画を誇りに思っております」とコメント。

さらに「これまで何度か、この映画は作られないんじゃないかという瞬間がありました」と続けた鈴木さんは、「僕も原作に感動して、ぜひやらせていただきたいとまわりを説得して。演じさせていただくことになったのですが、届いた台本を見て、監督に『これじゃやれない』と電話をしたこともありました」と告白。

さらに「その時に監督がおっしゃったのが、『僕を信じてくれ。僕が作るのは、この脚本から役者がリハーサルをして、演じているのを観て、どんどん生き生きとしたものにしていくんだと。僕の作品はこの台本だけでは伝わらないんだ』と一生懸命説得してくださったんです」と明かしてみせると、「この映画を観て、皆さんの表情を観ていると、本当にあの時、監督を信じて良かったなと思います。こんな作品が出来上がるとは思いませんでした。ありがとうございます」と松永監督に謝辞を述べ、頭を下げる姿に、会場からは大きな拍手がわき起こった。

そんな鈴木さんは瞳に涙を浮かべ、さらに言葉を絞り出すように「この作品を生んだのは高山真さんという方で。その方がいなかったら、今日ここで皆さんにお会いすることはありませんでした。残念ながらこの映画の最終決定を聞くこともなくお亡くなりになってしまったのですが、ひとりの人間が遺したものが、いかにいろんな人に影響を与えるのか。人生って突然終わることもあるけど、ひとりの人間が世の中に与える影響ってすごいなと、今日あらためて思っています」とコメント。

さらに「高山さんはあまり天国という言葉は信じていないと思うんですが、それでも今日は天国の高山さんに感謝したいと思います」と呼びかけ。高山さんを生前からよく知るドリアンも、その鈴木さんの言葉に思わず涙ぐんでいた。

そして宮沢さんが「1年半ほど前に撮影して。その時は僕たちのすべてを注いで、熱い気持ちで挑みました。どの作品もそうですが、公開されるまでにはたくさんの不安があって。僕たちがやったことが果たして正解なのか。ちゃんと届くのかという不安があって。時には押しつぶされそうになった瞬間もありました」と正直な思いを吐露。

「だからこうやって皆さんの前でこうやってこの作品を公開できることがしあわせでいっぱいです。たくさんの方に届いているのもうれしいですし、この作品は10年後、20年後、30年後も生き続けて、より多くの人に届く作品だと信じています。『エゴイスト』という作品は走り始めたばかりなので、多くの方に届くことを願っています」とメッセージを送っていた。

『エゴイスト』は全国にて公開中。

《シネマカフェ編集部》

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