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【インタビュー】河合優実、デビュー4年で感じた“演じる”重み「好きで終わりじゃない」

『サマーフィルムにのって』『由宇子の天秤』『ちょっと思い出しただけ』『PLAN 75』『ある男』等々、話題をさらった力作に立て続けに出演している河合優実さん。彼女の待望の初主演映画『少女は卒業しない』が、2月23日に劇場公開を迎える。

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河合優実『少女は卒業しない』/photo:Maho Korogi
河合優実『少女は卒業しない』/photo:Maho Korogi 全 17 枚
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藤原季節の言葉がいまも生きている


――『少女は卒業しない』は、他者からかけられた言葉がその後の人生を左右するさまを描いています。河合さんの中で、いまも生きている言葉にはどのようなものがありますか?

この作品にせっかく出ていらっしゃるので、(藤原)季節さんからいただいた言葉をお話ししたいと思います。季節さんとは『佐々木、イン、マイマイン』で出会いました。この作品の最後に季節さんや皆さんが佐々木コールをしているなかで私が泣くシーンがあるのですが、撮影時には音声さんからは「他の方は音声オフで、河合さんの声だけを録りたいです」と言われたんです。でも、どうしてもダメだと思い「本当にごめんなさい。皆さんにも声を出していただいていいですか」と相談したら音声さんも季節さんたちも快くOKしてくださって。後から季節さんに「あれは役を守った瞬間だったね。守れないときもあるから」と言われました。

そのときは真意がわからなかったのですが言葉だけはずっと残っていて、年を経るごとに「そういうことか」とわかってきた感覚があります。『少女は卒業しない』で、答辞のシーンの撮影で「テスト段階から回していただいてもいいですか」とお願いしたのも、この経験がつながっています。季節さんは自分にとって、熱くて優しい先輩です。

――河合さんは『ダンサー・イン・ザ・ダーク』や『ラ・ラ・ランド』がお好きと伺いましたが、観る側としてのご自身はいかがですか? 変化があったのか、それともなかったのか。

そこは変わっていないように思います。もちろん仕事につながることではあるけど別に勉強とは思っておらず、かといって完全な娯楽でもない。映画を観るのはずっと変わらない日常です。

――素敵な言葉ですね。自分だとそれこそ映画の仕事を始めて3・4年目くらいで「実写を観るのが無理」みたいな状態に陥ってしまい、しばらくアニメばかり観ていました…。

ライターさんだと「この時までに観ないといけない」があるでしょうから、より大変だと思います。私の場合も、波はありますね。例えば現場中だと「最近あまり観る気分になれないな」ということはあります。直近だと年末までがっつり撮影していたので映画館に行けていなかったのですが、ようやく『RRR』を観に行けました。最高に面白かったです。

――河合さんの『RRR』評、気になります。

すごく評判になっていたので気になっていた作品でした。ある意味思っていた通りの面白さというか、「インドの映画の力がここに結集しました」というようなエネルギーを感じましたね。インド国民の観賞率がものすごいだろうな、と思いました。

――劇場の熱気も凄まじいと聞きます。

本当に、近年稀にみる客席のざわめきでした。席も埋まっていましたし、上映後にみんなが熱くなったまま作品の話をしている光景を久々に観た気がします。

――まさに劇場映画の良さですね。河合さんも『少女は卒業しない』の東京国際映画祭の上映などで、お客さんの熱を感じたとおっしゃっていましたね。

舞台挨拶等でお客さんの前に立たせていただくことはありますが、基本的に上映前の登壇が多いため、上映後に皆さんの反応を見られることは稀なんです。東京国際映画祭ではお客さんと一緒に観賞できたので、リアルタイムな反応を見られました。皆さんマスクをしていて言葉にしなくても、伝わってくる空気ってありますよね。今後もそういった機会があると嬉しいです。

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《text:SYO/photo:Maho Korogi》

物書き SYO

1987年福井県生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌の編集プロダクション、映画WEBメディアでの勤務を経て、2020年に独立。映画・アニメ・ドラマを中心に、小説・漫画・音楽・ゲームなどエンタメ系全般のインタビュー、レビュー、コラム等を各メディアにて執筆。並行して個人の創作活動も行う。

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