シャーロット・ウェルズ監督初長編作品『aftersun/アフターサン』より本編映像が解禁された。
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A24が北米配給権を獲得したことでも話題の本作。11歳の娘が父親とふたりきりで過ごした夏休みを、その20年後、父親と同じ年齢になった視点でふり返る。
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物語の中心となる娘のソフィを演じたのは、半年にわたるオーディションで800人の中から選ばれた新人フランキー・コリオ。本作で鮮烈なスクリーンデビューを飾った次世代スターの原石だ。
スコットランド出身でサッカーが大好きなコリオは、オーディションの結果ポール・メスカル演じるカラムの娘、ソフィ役を勝ち取った。ビデオオーディションに参加したのは800人。その後対面で行われたキャスティングセッションで、彼女は新人ながら見事大抜擢された。
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本作のプロデューサーにも名を連ねるバリー・ジェンキンス監督の『ムーンライト』で、無名の俳優達をキャスティングし大成功を収めた製作会社パステルは、その経験を生かし半年にわたって理想の“ソフィ”を探し求めた。
キャスティングの流れとして、先にソフィ役を選んだという制作チーム。コリオに対する印象について、シャーロット・ウェルズ監督は「驚くことに、最初から自分自身をソフィというキャラクターに投影した演技を出来ていたんです。並外れた才能の持ち主だと思います」とふり返る。
撮影中、コリオには脚本ではなくセリフだけが書かれたものが渡され、それは演技経験のない彼女の姿をより自然体に捉えるためのものだったという。
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今回解禁された映像で映し出されるのは、隣同士ビーチチェアやトルコ式公衆浴場と呼ばれるハマムでくつろぐ若い父娘、“私たちは同じ空で繋がっている“とカラムに語りかけるソフィの優しい声だ。「離ればなれだけど、そばにいるのと同じ」、「同じ空の下にいるなら一緒と同じ」と、別々に暮らす父への恋しさや寂しさと共に、強い絆で結ばれていることを感じさせるセリフが続く。
また、冒頭にはウェルズ監督が影響を受けた監督の一人に名前を挙げている、ソフィア・コッポラ監督作『SOMEWHERE』を彷彿とさせるシーンも。青に囲まれたプールの中で写真を撮り合う2人は、まるでスティーヴン・ドーフとエル・ファニングが水中でお茶を飲むジェスチャーをして楽しむ姿のように見える。
同作で撮影当時12歳だったエル・ファニングは、高級ホテルに暮らすハリウッドスターの父と一夏を過ごす少女を演じた。12歳といえば、ナタリー・ポートマンが『レオン』のマチルダ役のオーディションを受けた年でもある。
そして、ソフィ役のフランキー・コリオは11歳にして鮮烈な印象をスクリーンに刻んだ。ファニングやポートマンが子役として映画史に名を残し、現在もその存在感を世界に放っているように、本作でのフランキー・コリオも、いずれ時代を席巻する存在になりえると思わせる才能を魅せる。
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実際にその兆しは早くもあらわれており、ロンドン映画批評家協会賞のブリティッシュ/アイリッシュ新人俳優賞にノミネートされ式に出席したコリオは、同席していたケイト・ブランシェットから「新星」と呼ばれ、フローレンス・ピューやミシェル・ヨーなどそうそうたる俳優陣と肩を並べ写真に収められている。
今後の活躍が期待されるフレッシュな大型新人フランキー・コリオ。その成長の一歩となる本作に、大きな注目が集まる。
『aftersun/アフターサン』は5月26日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリーほか全国にて公開。