これからの映画界に思うこと
「人生を少しでも変える作品を」
――永山さんは2007年、高杉さんは2009年に俳優デビューされ、同じ時代を役者として生き抜いてきた間柄でもあるかと思います。映像・映画界の歩みをどうご覧になっていますか?
永山:このままだと海外で戦える作品が生み出せないなとは思います。コンプライアンスに縛られすぎなんだと思います。この前、映画祭で韓国の映画人と話して「低予算でもガツガツ作っていかないと。このままだとヤバいよ日本」と言われて悔しかったです。実際韓国は勢いがありますよね。
高杉:どこにも配慮しないで言うと、もうちょっと時間をかけて作りたいですよね。
永山:単純にお金がないんでしょうね。でも、お金がなくてもいいものを作ることができるでしょうし、諦めたくはないです。夢を持って仕事していますから。
先ほど韓国の話をしましたが、本来は勝負事じゃないんですよね。芸術というものを日本の中で生み出せるかどうかの話ですから。ただまだまだ水商売というか色物というイメージが強いとも思うので、変わらなければいけない部分は多々あると感じています。
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高杉:僕はこれまで、作品を観た人たちに変化が起きることがあまり好きじゃなかったんです。
永山:そうなんだ。
高杉:だって怖いじゃないですか。自分の仕事で、どこかの誰かの人生が変わってしまうって。その責任を負えるのか? とも感じてしまって。この仕事は自分の評価でなく、他人の評価で判断されることが多いですし。
永山:でも俺も「この映画を観て人生変わった」とか言うけど、それはこっちが勝手にそうなっただけだから。それでいいと思うよ。
高杉:そうですよね。でも今は、もう少しその責任を負いたいという気持ちに変わってきました。その人の人生を何か少しでも変える、糧になるような力を持った作品を一個一個作っていかないと、1時間半や2時間を費やして観る価値は生まれないと思っています。