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新たな解釈で“男らしい”西部劇のその先を描くドラマ「ジャンゴ ザ・シリーズ」の魅力

西部劇の傑作映画『続・荒野の用心棒』(原題:Django)を原案にしたドラマ「ジャンゴ ザ・シリーズ」は、「従来の西部劇からは排除されてきた」者たちの群像劇。これまでの西部劇のイメージを覆し、新たな解釈で描かれる

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「ジャンゴ ザ・シリーズ」© 2021 Cattleya / Atlantique Productions / Sky Italia / Canal+
「ジャンゴ ザ・シリーズ」© 2021 Cattleya / Atlantique Productions / Sky Italia / Canal+ 全 24 枚
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「マカロニ・ウエスタン」の愛称で日本でも親しまれたイタリア製西部劇の傑作として、クエンティン・タランティーノ監督も魅了されオマージュを捧げた映画『続・荒野の用心棒』(原題:Django)を原案にしたドラマ「ジャンゴ ザ・シリーズ」が、「スターチャンネルEX」にて配信中だ。そして6月6日(火)より「BS10スターチャンネル」でもいよいよ放送開始!

家族を失った男ジャンゴと生き別れの娘、そして彼らを取り巻く男女の“因縁”と“宿命”を描くドラマには、人種問題のみならず、ジェンダー、LGBTQなどのテーマが盛り込まれ、監督フランチェスカ・コメンチーニの言う「従来の西部劇からは排除されてきた」者たちの群像劇となっている。これまでの西部劇のイメージを覆す、新たな解釈で“いま”描かれる本作の魅力に迫った。


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映画級キャストが集結した“壮大な西部劇”


舞台は南北戦争後のテキサス。どんな人間も歓迎する平等の町“ニュー・バビロン”で暮らす元奴隷のジョン・エリスと、子どもの頃に家族を失いジョンに育てられたサラの前に、ジャンゴと名乗る流れ者が現れる。南北戦争へ出兵中に一家を殺された後悔を背負い生きてきたジャンゴは、20歳になった娘のサラと再会、拒絶されながらも娘の信頼を取り戻そうとするーー。

従軍した代償を背負うジャンゴを演じるのは、『リリーのすべて』『君と歩く世界』『ムスタング』などで知られるベルギー出身のマティアス・スーナールツ。紳士からワイルドな無法者まで演じ分ける彼は、本作のジャンゴは「家族に対する後悔の念があり、魂の救済も求めている」と説明する。孤高さはあれど、すっかりやさぐれ、早撃ちのクールなガンマンのイメージはそこにはない。

「彼は良い選択も悪い選択もすることでしょう。自分が愛する人といかに関係を結び、どの時点でどんな選択をするのか。それは必ずしも相手を幸せにしないかもしれないし、傷つけるのかもしれない。そんな揺らぎのあるジャンゴという人物に、誰しも感情移入ができるのでは」と、新たなジャンゴ像に期待を寄せる。

ジャンゴの成長した娘であり、“ニュー・バビロン”という理想郷をジョン(ニコラス・ピノック)とともに導くサラを演じたのは、Netflixシリーズ「DARK/ダーク」で知られるドイツ出身のリサ・ヴィカリ

キャリア初期のジェニファー・ローレンスを思わせる意志の強い眼差しが印象的なリサは、演じるサラを「独立心旺盛」で「自由や権利のために戦うことのできる」女性と表現、「馬に乗ったカウボーイに助けられる必要はありません」と話す。だが、父ジャンゴが“ニュー・バビロン”に現れたことで、サラは過去との対峙を迫られることになる。

スウェーデン出身のノオミ・ラパスが演じる、ジョンに執拗なまでの憎悪を燃やすエリザベス・サーマンもこれまでの西部劇ではほとんど見ることのなかった、この時代に圧倒的な権力を持つ女性だ。ノオミいわく「傷心を抱えた悪役(ヴィラン)」であるエリザベスの自己矛盾は、“神の名のもとに”という狂信的信仰を理由に暴力へと結びついていく。

さらに本作には、オリジナル版『続・荒野の用心棒』でジャンゴを演じたフランコ・ネロもカメオ出演しており、マティアス演じる現代版ジャンゴと共演を果たしている点にも注目だ。


キャスト&監督が明かす、
いまマカロニ・ウエスタンをドラマ化する意義


エリザベスを演じたノオミは『ミレニアム』3部作や『プロメテウス』、近年ではA24作品『LAMB/ラム』などの作品で知られるが、本作は「キャリアの中で最も素晴らしく大好きな作品になった」という。あるときはエルムデールという町の主として差別主義者の男たちを率い、彼女たちにとっての“罪人”を容赦なく始末するエリザベス。だが、息子の愛し方が分からない母でもあり、かつて愛したジョンへの複雑な感情を捨てきれずにいる多面的な女性だ。

本作のクリエイターであるコメンチーニ監督によれば、エリザベスは「家父長制的な秩序のどう猛な守り人でもある」という。「女性である彼女もまた、この制度にすっかり同化しているのです。この作品では男性社会で女性が権力に触れるということが、どのような犠牲を払うことになるのかまでも描きました」と監督。西部劇という男性主導で「“男らしさ”の基準を確立してきた」ジャンルに、新たな視点を盛り込んだ重要性を強調する。

また、自立した勇敢な女性であるサラを演じたリサも、「映像作品において女性のキャラクターはカリカチュアに陥りやすいものですが、本作は女性の描き方に様々なレイヤーがあり、とても複雑な人物像となっていると思います」と明かしている。

そもそも劇中に登場する“ニュー・バビロン”には、奴隷出身の黒人家族たちや、前科者や流れ者など多様な人々がおり、共に身を寄せ合って暮らしている。そのリーダーのジョンも決して聖人君子というわけでは決してなく、エリザベスに対しては判断が鈍ってしまったり、娘のように育ててきたサラを愛してしまったり、という弱みも持ち合わせている。

贖罪を抱えたジャンゴが従軍を決意するきっかけの1つとなる、義兄イライジャ(トム・オースティン)との同性愛も見過ごされてはならない。

「このウエスタンにおけるアップデートは、これまで描かれてきたすべての家族の物語に適用されるでしょう。家族とは、本当は何なのか。家族の絆は何からできているのか。家族の絆はどんな救いを、そしてどんな災いをもたらすのか」と監督。

「私の心に浮かんだのは、従来のウエスタンからは排除されてきたいわゆるマイノリティを巻き込んだ群像劇です。ユートピア的なフロンティアの城塞を見つけた、私たちの中で最も弱い立場の者たちの闘い」と本作を表現する。これまでも存在していたはずなのに、見過ごされ脇に追いやられてきた者たちや、見えないように隠されてきた側面にこそ光が当てられている。


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“いま”観たい!映画&海ドラファン注目の
ドラマシリーズが目白押し


「スターチャンネル」には、本作をはじめ、映画界のスターや海外ドラマの人気者たちが集結するドラマシリーズが次々と登場している。

“カンヌの申し子”の異名を持つグザヴィエ・ドランがキャリア初のTVドラマに挑み、自らも出演している「ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと」は、30年前に起きた事件とそれにかき乱される家族の姿を、過去と未来を行き来しながらサスペンスフルに描く。

ドランと同じカナダ・ケベック州出身の実力派俳優が集結し、ドラン作品で何度も母親役を演じてきた名優アンヌ・ドルヴァルが、今作でも兄妹の母親役で出演している。

母親といえば、先日英国アカデミー賞(BAFTA)TV部門で作品賞、主演女優賞の2冠に輝いた「I AM ルース」のケイト・ウィンスレットだ。英国を代表する実力派女優たちが1話ずつ主役を務め、様々な苦境におかれた現代女性の心情を率直に描いたアンソロジー・ドラマ「I AM 私の分岐点」の第3シーズン第1話として、今作では10代のソーシャルメディア依存やメンタルヘルスを真っ向から取り上げた。

ケイトは実娘ミア・スレアプレトンと本格初共演を果たし、BAFTA授賞式で「トロフィーを2つにカットできるなら、半分を私の娘ミアに渡します。私たちは一緒に成し遂げた」と娘の熱演を称えたばかり。

さらに、実際の俳優たちが本人役で登場する「ステージド3 俺たちの舞台、もうおしまい!?」はコロナ禍を逆手にとって生まれ、大人気となった傑作コメディドラマの第3弾。

シーズン2も待ち遠しい「グッド・オーメンズ」の“悪魔”と“天使”の迷コンビ、デヴィッド・テナントマイケル・シーンが、演技ともアドリブともつかない英国式ウィットに富んだオフビートな“オンライン”ドラマを繰り広げる。

いずれも役者陣やクリエイターの持ち味が生きた、オリジナリティ溢れる作品ばかり。“ここでしか観られない”ドラマシリーズとなっている。


「スターチャンネル」公式サイト

<「ジャンゴ ザ・シリーズ」全10話>
【配信】スターチャンネルEX
<字幕版・吹替版>は毎週月曜にて配信中(以降週1話ずつ更新)。
【放送】スターチャンネル
【STAR1】<字幕版>6月6日(火)より毎週火曜23時~ほか
※6月3日(土)13時~吹替版第1話無料放送
【STAR3】<吹替版>6月8日 (木)より 毎週木曜22時~ほか

© 2023 Atlantique Productions - Cattleya S.R.L. - CANAL+ - SKY ITALIA S.R.L. © Cos Aelenei © 2021 Cattleya / Atlantique Productions / Sky Italia / Canal+

<「ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと」全5話>
<字幕版>スターチャンネルEXにて全話配信中

©2022 9429-5631 Québec Inc. (une filiale de Nanoby Inc.) © Salomé Villeneuve

<「I AM ルース」>
<字幕版・吹替版>スターチャンネルEXにて配信中
【STAR1】<字幕版>【STAR3】<吹替版>スターチャンネルにて放送中

© Me+You Productions MMXXII. All Rights Reserved.

<「ステージド3 俺たちの舞台、もうおしまい!?」全6話>
© Staged Films Limited MMXXII

<提供:スターチャンネル>

《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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