2022年・第75回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」に出品され、国際映画批評家連盟賞を受賞したモロッコ映画『青いカフタンの仕立て屋』から、伝統衣装カフタンドレスを紡ぐ繊細な手仕事を映した本編映像が解禁となった。
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2021年、日本初公開されたモロッコの長編映画『モロッコ、彼女たちの朝』(19)が大ヒットしたマリヤム・トゥザニ監督の最新作。
本作で描かれるのは、民族衣装のカフタンを作る仕立て屋。カフタンとは結婚式や宗教行事などフォーマルな席に欠かせない伝統衣装で、コードや飾りボタンなどで華やかに刺繍されたオーダーメイドの高級品。
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母から娘へと受け継がれる着物のようなものが、安価で手早く仕上がるミシン刺繍が普及した現在、手間暇かかる手刺繍をほどこすカフタン職人は貴重な存在となっている。
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この度解禁となったのは、仕立て屋ハリムが、滑らかなペトロールブルーのシルク地に刺繍を施す繊細な手仕事のシーン。ため息が出るほどに艶やかな、カフタンドレスを紡ぐシーンだが、マリヤム・トゥザニ監督は、伝統を守る仕立て職人の指先にレンズを向け、撮影監督とともに官能的な映像を作り上げた。
監督は本作で、消えゆく伝統工芸の美しさを伝える一方で、本作では男性の生きづらさを生むタブーに踏み込み、前作以上に挑発的なラストを作り上げた。
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戒律と法律が異性愛しか許さないモロッコ社会には、真の自分を隠して生きる人々がいる。伝統を守る仕事を愛しながら、自分自身は伝統からはじかれた存在と苦悩する1人の男、ハリムとその妻のミナ、そして若い職人のユーセフ。
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1針、1針、想いを込めながらドレスを紡いでいくモロッコ伝統工芸が3人の濃厚な時間を彩る。
『青いカフタンの仕立て屋』は6月16日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。