6月16日よりオープンとなるBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下にて、7月7日(金)より公開される映画『大いなる自由』。この度、「愛する自由」を渇望し続けた主人公ハンスのオルタナティブポスターが到着した。
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2021年・第74回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」審査員賞受賞、2022年・第94回アカデミー賞国際長編映画賞オーストリア代表作品、Bunkamura初の配給作品となる本作は、戦後ドイツで男性同性愛を禁ずる「刑法175条」のもと、「愛する自由」を求め続けた男の20余年にもわたる闘いを描いた静かな衝撃作。
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オルタナティブポスターに切り取られたシーンは、第2次大戦後の1945年、自身の性的指向により強制収容所から直接投獄され、薄い光が差し込むだけの暗い居室に初めて腰をおろした主人公ハンスが、わずかな荷物を手にしたまま窓の外を見上げる姿を捉えたもの。物語を通じて「愛する自由」を渇望し続けるハンスの姿を象徴するかのような印象的な場面だ。
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刑務所の壁と窓を思わせ、物語の世界観を表現したデザインとなっており、刑務所の通路とそのものを思わせるデザインだったティザービジュアルとも通じるものになっている。
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デザインを担当したのは、ティザービジュアルと本ビジュアルに続き、リヒター展やマンダース展などアートの世界で活躍するデザイナー・須山悠里氏で、ビジュアル開発の当初から須山氏のアイディアとして提案されていたもの。
須山氏は、このビジュアルパターンを手掛けた理由について「とあるカットを、少し大胆にトリミングしている。この部屋では、光の差し込み方が時代によって変わっていくようにも思えるし、ハンスとヴィクトール、二人の距離感にも変化が訪れる。しかし、彼らの服と壁の色は、いつも少し暗く、くすんでいるようだ。変わりゆくものと変わらないものが同居する部屋で、窓の外を見つめるハンスの姿がとても美しい」とコメントする。
この場面は、映画が描いた時代にドイツ北東部マクデブルクで実際に使用されていた刑務所で撮影が行われており、撮影監督を務めた『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマ監督が初期代表作でタッグを組んだクリステル・フルニエの手腕により、時代を超えた質感をもつものとなっている。
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セバスティアン・マイゼ監督は、本作の視覚的アプローチについて「観客も投獄されているような感覚を持つように演出することが大きなポイントで、それは空間と身体を関連付けてこそ実現できると考えました。クリステル(・フルニエ)の作り出す光は常に論理的で一貫性があり、現実と強く結びついています。クリステルはさまざまな温度の光を取り入れそのおかげで私たちの物語にふさわしい彩りが加わり、ブルーグレーの刑務所の世界に生命が満ちあふれたのです」と語っている。
このポスターは、6月16日(金)よりオープンするBunkamuraル・シネマ渋谷 宮下に掲出される。
『大いなる自由』は7月7日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国にて順次公開。