アニメ作家、塚原重義が原作・脚本・監督を務める劇場長編アニメーション『クラユカバ』が、第27回ファンタジア国際映画祭にて、長編アニメーション部門の観客賞・金賞を受賞した。
探偵業を営む荘太郎に舞い込んだのは、自身の暮らす扇町を騒がす奇怪な集団失踪事件の解明。目撃者はいない。目的も分からない。しかし、被害者に共通したのは現場に残された“不気味な轍”…手がかりを求めて訪れたのは、奈落に巣食う地下迷宮“クラガリ”。そこに、現れた銀髪の少女との出会いをキッカケに事態は大きく動き出す。
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2018年・2020年にかけて実施した2回のクラウドファンディング企画にて累計1,570万364円の支援を集めた本作は、探偵業を営む荘太郎が、町で起こる奇怪な“集団失踪事件”の解明に挑む姿が描かれた痛快探偵活劇。
荘太郎を演じるのは令和4年度花形演芸大賞・大賞を受賞し、“最もチケットが取れない講談師”と言われる六代目神田伯山。
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監督を務めた塚原重義は、2002年頃よりアニメーションの自主制作を始め、近年はオリジナルの短編作品を発表しつつ、「SEKAI NO OWARI」ライブのステージデザイン協力など、映像以外の世界観構築も手掛けている。本作が初の長編アニメーション監督作品となり、事件の真相はもちろん、塚原監督が作り出すノスタルジーを感じるフィルムも必見だ。
ファンタジア国際映画祭はカナダ・モントリオールで1996年から開催されている北米最大のジャンル映画祭。ジャンル映画の中でも特にアジア映画に強みを発揮しており、なかでもアニメーション部門は、日本の名監督であった、故・今敏の名前から由来してグランプリが今敏賞と名付けられていることでも知られている。
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なお本年の長編アニメーション部門には『THE FIRST SLAM DUNK』(原作・監督・脚本:井上雄彦)、『SAND LAND』(原作:鳥山明)など、日本でも話題を集めた作品が選出されている。
観客賞は、映画祭参加者からの投票により決定される賞で、本作は映画祭開催中2回の上映が行われ、各回ともに満席となっていた。上映後に行われた塚原監督登壇のトークセッションでは、観客から多くの歓声が上がった。
<塚原重義監督コメント>
本作がワールドプレミアの場でこのような素晴らしい賞をいただけたこと、そして何より文化圏の異なる地の方々に楽しんでいただけたことが大変光栄です。これを今後の糧としていきたいです。
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本作は現在、国内上映に向けて進行中。今後の展開にも注目だ。