クリストファー・ノーラン監督最新作『オッペンハイマー』にて、キリアン・マーフィー演じる科学者オッペンハイマーの妻・キティを演じたエミリー・ブラントが役作りについて語った。
第96回アカデミー賞で作品賞、監督賞をはじめ最多13部門にノミネートされた本作は、第二次世界大戦下、世界の運命を握った天才科学者の実話にもとづく物語。
ノーランが監督、脚本を務め、世界の運命を握ると同時に世界を破滅する危機に直面するという矛盾を抱えた1人の男の知られざる人生を描き、IMAX(R)撮影による、天才科学者の頭脳と心を五感で感じさせる極限の没入体験を味わえる作品となっている。
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アメリカの理論物理学者J・ロバート・オッペンハイマー(キリアン・マーフィー)は、原子爆弾の開発・製造を目的とした「マンハッタン計画」の最高責任者である陸軍のレズリー・グローヴス(マット・デイモン)から極秘プロジェクトへの参加を打診され、その研究施設であるロスアラモス国立研究所の所長を務めた。マンハッタン計画を遂行した後、日本への原爆投下による惨状を知り、その破壊力に対して苦悩することになる。
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今回、オッペンハイマーの妻キティ役を演じてアカデミー賞助演女優賞に初めてノミネートされたエミリー・ブラントが役作りを語るコメントが到着。ブラントが演じたキャサリン“キティ”・オッペンハイマーは、生物学者、植物学者で、あるパーティで出会ったオッペンハイマーと結ばれる前に三度結婚していた人物。その後の生涯は夫オッペンハイマーに寄り添い続けた先見的な女性だ。
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「これは映画ではなく体験」エミリー・ブラントが深い共感明かす
「これは映画ではなく体験です」と語るブラントは、オッペンハイマーの妻キティについて「彼女の性格は複雑で、気まぐれで、チャーミング。私が惹かれたのは、彼女が当時の女性のあるべき姿に従おうとしなかったことです。なぜ結婚して子どもを持ち、夫を支えなければならないのか。それが女の仕事であり、それだけが女に許されることだっていう考え。彼女はそうしたシステムに抗ったのですが、それはとても現代的な姿勢でした」と、時代の先を行くキティの生き方への共感を胸に役作りをしたと言う。
さらに、「クリスが書いてくれたキャラクターは並外れていたので、私は自分の全てをつぎ込んだのです。キティはページを突き破って私に襲い掛かってきました」と、ノーラン監督による脚本が創造的な演技へと導いてくれたと明かしている。
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また、エミリーが演じたキティをとらえた場面写真も到着。「マンハッタン計画」が進む中、ロスアラモスの研究所で子どもを抱いて実験を見守るキティの姿をとらえたカットとなっている。
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『オッペンハイマー』は3月29日(金)より全国にて公開。