「TBSドキュメンタリー映画祭」にて海外招待作品が上映されることが分かった。
今回で第4回の開催となる「TBSドキュメンタリー映画祭」は、テレビやSNSでは伝えきれない事実や声なき心の声を発信し続けるドキュメンタリー作品に出会える場として、2021年より開催されてきた。
本年は、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマに迫る「ソーシャル・セレクション」、家族の形や身体的な障害など多様な生き方や新たな価値観を描く「ライフ・セレクション」、五感を司る表現者たちやテーマを通し新たな感性に出会う「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選ばれた15作品を一挙上映する。
この度、過去カンヌでも上映され話題となった至極のドキュメンタリー映画2作を<海外招待作品>として上映することが決定。本映画祭で海外招待作品を上映するのは、これが初めての試みとなる。
栄えある1作目を飾るのは、実際の外科手術を医師の視点で撮影し、人間の体の神秘に迫るショッキングかつ感動的な異色のドキュメンタリー『人体の構造について(原題)』。『リヴァイアサン』、『カニバ パリ人肉事件38年目の真実』といった話題作を共に手掛けてきた、ルーシァン・キャステーヌ=テイラーとヴェレナ・パラヴェルの人類学者コンビが贈る衝撃作だ。
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パリ北部近郊の5つの病院のオペ室に密着し、脳や大腸、眼球、男性器など様々な外科手術や帝王切開の模様を医師の視点で見つめる本作。普段なかなか目にすることのできないオペの様子を通じて、我々人間の体を構成する様々な臓器の神秘や儚さを体験すると同時に、休みなく働き続ける医療従事者たちへの果てしない敬意を呼び起こす。
2022年度のカンヌ国際映画祭でお披露目をされると、その目を覆うようなシーンに目を背ける観客がいた一方で、前代未聞の素晴らしいドキュメンタリーという称賛を受け、現在もメタクリティックのスコア92、ロッテントマト95%フレッシュという高評価を獲得している。医師以外見たことのない光景をダイナミックに切り取った驚愕の一作が、本映画祭でも観客たちに強いインパクトを残すことは必至だ。
また、A24製作の『オキュパイド・シティ(原題)』も上映決定。『それでも夜は明ける』『SHAME シェイム』のアカデミー賞受賞監督、スティーヴ・マックイーンが贈る、4時間を超える圧巻のドキュメンタリー。
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監督の妻であり歴史家のビアンカ・スティグターによる書籍「Atlas of an Occupied City (A msterdam 1940-1945)」をベースに、オランダ・アムステルダムのナチス占領下の記憶と、新型コロナウイルスによる緊急事態下の風景が、驚くべき形で重なり合っていく。
現在の映画界を背負う監督と制作陣がタッグを組み、映画でしか味わうことのできない、奇跡の映像体験を実現させた。2023年度のカンヌ国際映画祭で特別上映されるや否や、その極めて映画的で深淵な作風が高い評価を集め、各国の映画ファンからも大きな注目を集めた。映画業界を激震させ続けるA24が本作を通じ、観客たちに新たな世界を見せてくれることだろう。
「TBS ドキュメンタリー映画祭 2024」は3月15日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて順次開催。