ナタリー・ポートマンとジュリアン・ムーアが豪華共演した、『キャロル』のトッド・ヘインズ監督最新作『メイ・ディセンバー ゆれる真実』。この度、スキャンダルの当事者とそれを演じる女優を演じた2人が、見た目から恐ろしいほど似ていく場面写真が到着した。
本作は、90年代に実際に起き、全米にかつてないほどの衝撃を与えたメイ・ディセンバー事件の真相を、様々な角度から見つめる心理ドラマ。
唯一無二のセンセーショナルな脚本により、海外の有力媒体で2023年のベスト映画として選出、第34回インディペンデント・スピリット賞ほか多数の賞レースで脚本賞を受賞し、さらに本年度アカデミー賞脚本賞にもノミネートされた。
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かつて36歳女性と13歳少年が起こした“メイ・ディセンバー事件”の当事者であるグレイシー(ジュリアン・ムーア)と、事件の映画化にあたり彼女を演じることになった女優エリザベス(ナタリー・ポートマン)、ふたりの女性を描くことから始まり、お互いを知っていく中でドラマが展開していく物語。
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これまで全く別々の人生を歩み、もちろん経歴も、考え方も話し方も見た目も違うグレイシーとエリザベスだが、ふたりのキャラクターをどう描くかが鍵となった。トッド・ヘインズ監督とスタッフはまずはふたりのルックを探り、グレイシーの見た目を決めるところから創作を始めていったという。
23年前の“メイ・ディセンバー事件”以来、他人の目や好奇な関心にさらされ続けているグレイシーは、周囲の目や軽蔑をシャットアウトし自分の世界に没頭している。
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ジョージア州サバンナにある自宅で家族とバーベキューをしたり、料理に精を出したり、近所の人にハンドメイドケーキを作ったりと、自分の手の届く範囲の中で幸せを見つけながら、家族と平穏に暮らしている。
そんなグレイシーには、パステルカラーに染めた羽のようなふんわりとした髪、ラベンダー、ピンク、アイボリーといった色味のフェミニンなカラーをまとう“プリンセス”のイメージが追求された。プリンセスを取り繕うことによって、自分にとって不都合なことを排除しているかのようにも見える。
一方のエリザベスは、都会からやってきた“ハリウッド王室”のイメージ。はじめは黒髪で、衣装もモノトーンで登場する。しかし、エリザベスはグレイシーを演じるために彼女に近づき、行動を共にし、周囲の証言を集める中で、次第に見た目の変化を遂げていく。
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ダークな色合いの服から、次第にグレー、ラベンダー、ピンク、ベージュ…と、“グレイシー色”へと変化していくのだ。やがてエリザベスは見た目だけではなく、メイクや話し方、行動まで変わり始める。グレイシーの心の奥底に潜む、事件への後悔や後ろめたさといった隠れた芽をも探し出そうとのめり込んでいき、常軌を逸していく…。
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対峙し続けることで、恐ろしいほどにシンクロしていく、ふたりの女性たち。衣装担当のエイプリル・ネピアは「どんなに近づいたように見えても、実は他人の内面は想像以上に多面的であることに驚かされるのが、この映画の面白いところ」と明かしている。
『メイ・ディセンバー ゆれる真実』は7月12日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。