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【ネタバレあり】「スター・ウォーズ:アコライト」7話 選択の尊重と拒絶、その代償…3話と“一対”の16年前の真実

「スター・ウォーズ:アコライト」の第7話、第3話で描かれた双子のオーシャとメイが生き別れになった16年前の“苦い真実”が、ジェダイ側の視点から語られ、いろいろと腑に落ちた

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「スター・ウォーズ:アコライト」7話 (C)2024 Lucasfilm Ltd.
「スター・ウォーズ:アコライト」7話 (C)2024 Lucasfilm Ltd. 全 8 枚
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イ・ジョンジェ、アマンドラ・ステンバーグ、キャリー=アン・モスらが共演する「スター・ウォーズ:アコライト」の第7話が配信。

第3話で描かれた双子のオーシャメイ(アマンドラ・ステンバーグ)が生き別れになった16年前の火事の“苦い真実”が、ジェダイ側の視点から語られた。これまでのエピソードで謎めいていたことのいくつかが腑に落ちる一方、最終話へ向けて物語の行方がますます気にかかるものとなった。

「アコライト」は、ジェダイ・マスターのインダーラ(キャリー=アン・モス)が正体不明の刺客メイにいきなり倒される衝撃と思いがけない再会を描く第1話「失って/見つけて」と第2話「復讐/正義」、惑星コーファーでの第4話「昼」と第5話「夜」、そして変則的ではあるが過去にフラッシュバックする第3話「運命」と今回の第7話「選択」が双子のように対(つい)になっていることが面白い。

監督も第3話と同じ、独特な映像世界を持つ映画『コロンバス』『アフター・ヤン』のコゴナダだ。

第7話では、第5話でザ・ストレンジャー(マニー・ハシント)が触れていたマスター・ソル(イ・ジョンジェ)が抱える“闇”、彼を「信用できるのか」とオーシャ(アマンドラ・ステンバーグ)に語った意味について、また、この双子のことになると“ジェダイ・マスターとは思えないほど”ソルの感情が先走ってしまう理由や、ウーキー族のジェダイ・マスター、ケルナッカ(ヨーナス・スオタモ)がジャングルに身を隠す理由も、その家に黒魔術を示す図がいくつも描かれていたことも、双子が16年前の出来事に異なる記憶を持っていた理由なども、いろいろと納得できた。

残る最終話(第8話)は、前回、ザ・ストレンジャーの“導き”でオーシャがダース・ベイダーのようにマスクを身につけるシーンと、メイがソルから過去の真実を打ち明けられるシーンで終わる第6話「指導/堕落」と対になっているということだ。

マザー・アニセヤ(ジョディ・ターナー・スミス)がソルのライトセーバーで殺されたことを覚えているメイが、その後のジェダイのオーシャへの対応(仕打ち?)を知ってどうなることか…。

エンドロールでは「スター・ウォーズ」シリーズとしては異例の「Power of Two」(ヴイクトリア・モネ)という歌曲が流れ、双子の運命への期待感を高めている。

今回で衝撃的だったのは、「黒魔術から子どもを引き離す」という“建前”と、「自分のパダワンに相応しいオーシャを守る」という“本音”でセーバーの刃をマザーに向け、落下寸前のオーシャだけを救ったソルの信じがたい行動だ。彼は無意識の欲望によって物事を見る目が曇ってしまったのだろうか。

ソルについて、「ゲーム・オブ・スローンズ」最終章のデナーリス・ターガリエンが重なったというファンのコメントを見たが、「そんなことするの?あの彼が!?」という失望を確かに抱いてしまった。

個人の選択に対する尊重と拒絶、その代償が描かれた今回。双子のメイとオーシャは幼いころ“常にひとつ”とよく歌っていたが、そもそも善意や慈愛、尊敬などの感情と、ダークサイドに通じる怒りや憎しみ、不安、執着などは1人の人間の中にさえ共存しているもの。第4話で「メイには善い心が残っている」と言ったソルにオーシャが「でも、人殺しだ」と返したように、見え方によって光にも闇にもなる。

ソル自身も激しく悔いているが、すべてを失ったオーシャを思えばこそ真実を語れなかった。マスター・インダーラもジェダイ・オーダーの中間管理職といえる立場なので、事態を丸く収めることが最善の道と考えたのだろう。辺境の現場で起きていることは組織の中枢にはなかなか届かないものだ。

「ゲーム・オブ・スローンズ」といえば、悲惨な運命を辿った王トメン・バラシオン役で知られたディーン=チャールズ・チャップマンは、パダワンのころのアナキンを思わせる危うさと強さがあるトービンを見事に表現していた。

“いまやっていることって何の意味あるんですか?”という態度でブレンドクでの任務に嫌気がさしていたトービンの頭の中に、魔女は容易に入り込める。マスターになったトービンがメイの毒薬を自ら飲んでしまったのは、この夜のことが原因だった。

また、結局SWファン(である自分)は手に汗握るライトセーバーアクションが見たいのだと第5話で痛感したものだが、今回のジェダイ同士のアクションは格別だった!

魔女たちが一丸となって最もパワーのあるケルナッカの意識を乗っ取ったことで、ウーキー族ジェダイの迫力ある貴重なライトセーバーバトルを目にできたことは感激であり、演じるヨーナス・スオタモ、対するソル役イ・ジョンジェももちろん素晴らしいものだった。

さらに、インダーラ役のキャリー=アン・モスの登場の仕方! ワイヤーアクションはさすが『マトリックス』のトリニティーである。

さて、残すところあと1話のみ。ケルナッカを操った魔女たちの黒く濁った瞳の様子から、マザー・コリル(マルガリータ・レヴィエヴァ)が黒幕で生き延びている可能性も出てきた。やはり、ザ・ストレンジャーの黒幕も彼女なのか…!?

「いつかその崇高な目的とやらが銀河中のすべてのジェダイを滅ぼすでしょう」とソルに言ったマザー・アニセアの予言はこの約100年後、『エピソード3/シスの復讐』で的中するわけだが、果たしてどんな最終話が待ち受けるのか、楽しみである。

「スター・ウォーズ:アコライト」は毎週水曜日、ディズニープラスにて配信中。


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《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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