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【インタビュー】高橋文哉、田中圭からも学んだ“座長の在り方”「あのときの意味を再認識」

高橋文哉と田中圭が、4年ぶりに再共演を果たした。「経験」をテーマに、それぞれの想いを語っていただいた。

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田中圭&高橋文哉/photo:You Ishii
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高橋文哉と田中圭が、4年ぶりに再共演を果たした。「ブラッシュアップライフ」の水野格監督がオリジナル脚本を書き下ろした映画『あの人が消えた』だ。高橋は担当先のマンションで巻き起こる事件から住人を救おうとする配送業者・丸子を、田中はお調子者に見えて、丸子を何かと気にかける先輩・荒川に扮している。

初共演時、座長としての背中を見せた田中と、座長として迎え入れる立場にまで成長した高橋。「経験」をテーマに、それぞれの想いを語っていただいた。

作品が重なる際の役への向き合い方


――高橋さんと田中さんの初共演は2019年のドラマ「先生を消す方程式」ですね。教師と生徒という役柄でした。

高橋:僕が初めて学生役を演じたのが「先生を消す方程式」でした。それも相まって、(田中)圭さんには先生のような先輩のような、大好きなお兄ちゃんのようないろいろなものが交わった感覚があります。

田中:ただ、教師と生徒といっても、僕の役はとにかく嫌われて殺されそうになる役でした。役柄もあって当時はそこまで会話も無く、偶然プライベートで会ったときも一言二言挨拶して終わりだったので、いつの間にこんな信頼感が生まれたのか不思議に感じております(笑)。

――そうだったのですね。田中さんは『あの人が消えた』制作発表時、「高橋文哉くんが主演とのことで、なんとか参加したいなと思っていました」とコメントされていました。

田中:ちょうどそのとき自分が主演のドラマに入っていたので、タイミング的に難しいかと最初は思っていました。ただ主演が(高橋)文哉くんと聞いて自分に出来ることがあるならなんとか参加したい、という気持ちになりました。

高橋:圭さんが出演して下さると聞いて、嬉しかったです。より一層気合が入りました。

――ちなみに田中さんが働き方を変えたきっかけは、どういったものだったのでしょうか。

田中:僕はかれこれ20年くらい作品を重ねる働き方をしてきました。撮影期間が重なっているため、1つの作品が終わって次の作品が始まるまでに空きがない状態をずっと過ごしてきて、半年間休みがないときもありましたが、その方が自分の性に合っていたんです。

ただ年齢を重ねて、作品への出方や役に対する自分のアプローチの感覚が変わってきたこともあり「一つひとつに向き合う形でもいいのではないか。まずは1回やってみよう」と思い立って変えてみました。今は休む時間も増えて、バランス良く過ごせているなと感じ継続しています。

――高橋さんは作品を重ねる際、どう切り替えているのでしょう。

高橋意識的に切り替えることはせず、勝手に切り替わると信じて取り組んでいます。

例えば同時期に2本の作品に取り組んでいるときは、台本を持ったら切り替わるように身体が自然となっていきました。また、僕は作品と作品の間が数日空くことが多いので、その間に台本を一気に読んで集中を高めるようにしています。1つの作品に参加しているときに別の作品のお話をいただいてその台本を読む、といったことはありますが、それ以外では基本的に他の台本は読まないようにしています。読むと別の作品のことが頭に入ってきてしまうからです。

なるべくいま入っている作品以外の情報は遮断して、次の作品のクランクイン数日前に一気に台本を読むことで切り替えている気がします。

――1つの作品に入っている際は、例えば別の映画なども観ないのでしょうか。

高橋:家でドラマを観たりはしますがなるべく抑えていて、映画館に足を運んだりは基本的にしないようにしています。観たい映画があったら「クランクアップしたときにまだ劇場でやっていたらいいな、ロングランしていますように」と祈っています。

――そうした我慢も、すべてはお芝居のためになのですね…。

高橋:そうですね。これはもう自分の勝手なルールといいますか、思い込みから生まれています。

田中:1つの作品に取り組んでいるときに他の刺激を入れたくないのはすごくよくわかる。僕も自分では気づいていないだけで、マイルールがあるのかもしれないです。


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《text:SYO/photo:You Ishii》

物書き SYO

1987年福井県生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌の編集プロダクション、映画WEBメディアでの勤務を経て、2020年に独立。映画・アニメ・ドラマを中心に、小説・漫画・音楽・ゲームなどエンタメ系全般のインタビュー、レビュー、コラム等を各メディアにて執筆。並行して個人の創作活動も行う。

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