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ケイト・ウィンスレット「心から尊敬し、憧れる」自ら映画化に挑んだ報道写真家リー・ミラーとは

『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』ケイト・ウィンスレットが主演であり製作総指揮として、リー・ミラーの人生を映画化することに情熱を注いだ思いを語った。

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『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』©BROUHAHA LEE LIMITED 2023
『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』©BROUHAHA LEE LIMITED 2023 全 12 枚
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ケイト・ウィンスレットと『エターナル・サンシャイン』の撮影を手掛けたエレン・クラス監督が組んだ『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』

主演であり製作総指揮として、リー・ミラーの人生を映画化することに情熱を注いだケイト・ウィンスレット。8年以上の歳月をかけて本作を完成させた彼女は、なぜ、そうまでしてリー・ミラーという1人の女性に夢中になったのか。

今回、本作で描かれるリー・ミラーの人物像に迫る新場面写真と、当時、リー・ミラー本人がカメラに収めた実際の報道写真が到着した。

■N.Y.、パリ、ロンドンそして戦場へ…リー・ミラーの情熱的で数奇な運命

出版者コンデ・ナスト本人に見出され、彼の「VOGUE」誌をはじめとする雑誌などでトップモデルとして活動していたリー・ミラー。時の天才たちや大衆を魅了する唯一無二の輝きを放ってきたが、男性たちの視線に晒され、レンズ越しに詮索されることに嫌気がさして写真家へと転身。

N.Y.からパリに移り、マン・レイの元でシュルレアリスム・フォトグラフィーを学ぶことになる。そして、マン・レイとともに偶然、ソラリゼーションと呼ばれる技法を発見した功績がある。

その後、さらに才能を開花させた彼女は自身のスタジオを構え、写真家としても成功を掴むが、そのわずか数年後に第二次世界大戦が勃発する。

リー・ミラー本人 © Lee Miller Archives, England 2025. All rights reserved.

当時ロンドンへと渡っていたリーは、戦時中全ての女性に求められていた、じっと座って「女として貢献しろ」という風潮を拒み、戦争の最前線という男性社会にカメラを持って飛び込んだ。かつて、自身がモデルとして表紙を飾っていた「VOGUE」誌を通し、世界に向けて真実を伝えようとした。

リー・ミラーが収めた実際の報道写真 © Lee Miller Archives, England 2025. All rights reserved.

彼女を突き動かしたのは、“真実を伝えたい”という強い思い。その思いと使命感を持って戦地へと赴いたリーは、声なき犠牲者たちの惨状と女性たちや子どもたちへの深い理解に加え、脆さと残酷さを繊細に捉えた歴史的写真の数々を現代に残している。

リー・ミラーが収めた実際の報道写真 © Lee Miller Archives, England 2025. All rights reserved.

中でも、1945年ヒトラーが夫人と共にベルリンで自死した当日、ミュンヘンにあるヒトラーのアパートの浴室で、リー自らが被写体となり撮影された“ヒトラーの浴室のリー・ミラー”や、世界で始めてナパーム弾を捉えた写真は、彼女の代名詞でもあり、20世紀の歴史の一部を象徴する写真として記録されている。

さらに、ブーヘンヴァルト強制収容所とダッハウ強制収容所が解放されたまさにその日、現地に初めて足を踏み入れたカメラマンの1人として、恐ろしく切迫した光景をカメラに収め、人間が持つ脆さと残酷さを克明に記録、20世紀を代表する写真家として歴史にその名を刻みこんだ。

リー・ミラーが収めた実際の報道写真 © Lee Miller Archives, England 2025. All rights reserved.

■「とにかく彼女に惹かれた」ケイト・ウィンスレットが明かす

A24映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』の主人公のモデルにもなったリー・ミラー。

使命感に溢れ、次々に訪れる困難に立ち向かい、情熱的でエネルギーに溢れたリーだからこそ、捉えることのできた歴史的真実とその数奇な運命を知ったケイト・ウィンスレットは、「どうして今まで誰も彼女のことを映画にしなかったのか?」という切実な想いに駆られ、リーの息子と何年にも渡る丁寧な交流を交え、書物を読み、リーのアーカイブ全てを閲覧し、徹底的なリサーチを経て満を持しての映画化に挑んだ。

さらにリー・ミラー役として本作に出演するケイト・ウィンスレットは「とにかく私は彼女に惹かれた。彼女の生き方、周りの声に振り回されない強さ、彼女の選択や考えに。そして自分の感情に素直なところや、女性たちと繋がる能力など彼女のすべてに。さらには起こっている真実を明らかにし、真実を伝え、周りの人にも行動を促せる能力と姿勢には、私もそうありたいと思った」と話す。

「しかもリー・ミラーは私よりもずっと前の時代からそれを成し遂げていた。そして誰よりも優れていた。もちろん私よりも。私が心から尊敬し、憧れ、そうなりたいと思える人物を演じることができるのはとても名誉なこと」と、リーについて、そして本作でリー・ミラー役を演じられたことの喜びを明かしている。

リー・ミラーは、より多くを知り、より多くを学び、自らを進化させるため、既成概念から自由になりたいという願望に従い、自己改革を通じて多彩な人生を生き抜いた。

ケイト・ウィンスレットが彼女のストーリーを伝え、彼女の優れた功績や、彼女が経験した圧倒的な感情のうねりを多くの人に知ってもらいたいと願ったのも不思議ではない。女性たちのリーダーであろうとしたリーの有名な言葉に、「写真を撮られる側ではなく、撮る側でありたい」というものがある。

主体的であり続け、トップモデルから20世紀を代表する報道写真家としてその名を歴史に刻んだリーミラー。彼女はいかにして従軍記者になったのか、戦争の前線で目撃した真実、人生をかけて遺したものとは一体何だったのか――。20世紀を代表する最も偉大な女性報道写真家、リー・ミラーの知られざる人生が紐解かれる。

『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』は5月9日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。



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《シネマカフェ編集部》

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