韓国時代劇の大傑作と称される『宮廷女官チャングムの誓い』。主演のイ・ヨンエが演じたチャングムは、ヒロインとしてカリスマ的な輝きを持っていた。そんな彼女の最大のライバルになったのが、チェ一族のクミョンだった。知性的なイメージがあった女優ホン・リナが扮していた。
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クミョンは、料理に関してチャングムと同等レベルの腕前を持っていた。性格的にも悪い人間ではなく、道理をわきまえていた。しかし、「あるとき」を境にして、急に生き方が変わってしまった。彼女を激変させた「あるとき」とは何か。
それは、心から慕っていたミン・ジョンホ(チ・ジニ)が、こともあろうにチャングムを愛している事実を知ってからだった。衝撃を受けたクミョンは、チャングムに対して恐ろしいほどの敵意をむきだしにした。
彼女が強烈に抱いた嫉妬を解消させるためには、なにがなんでもチャングムに料理で勝たなくてはならなくなった。その手段を明確にするために、クミョンは叔母であつた「悪人」チェ尚宮(キョン・ミリ)の手先になってしまった。
それからのクミョンは、あくどい手を平気で使うようになった。本来はプライドを持った女性だったのに、それもかなぐり捨てた。そんな変貌をホン・リナは情念を前面に出して感情的に演じ抜いた。

知性的なイメージのある女優
以前のドラマではもっと落ち着きを持った女優像を見せていたホン・リナ。彼女は演じる役の幅を大いに広げ、『宮廷女官チャングムの誓い』以後にはドラマ『妻の反乱』に出演し、夫の浮気に胸を痛める妻に扮して、情緒的な演技を披露していた。
さらに女優として活躍が広がる……と思われた矢先、2005年にアメリカへ渡った。英語習得が目的だったが2006年に現地で在米韓国人実業家と結婚した。その後は子供にも恵まてている。
以来、韓国での女優活動はない。家族と一緒にアメリカ・カルフォルニア州で暮らしているという消息があったが、現在では新しい知らせが届いていない。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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