『大統領暗殺裁判 16日間の真実』が8月22日(金)より全国公開される。それを記念し激動の韓国1979年を描いた『KCIA 南山の部長たち』『ソウルの春』の2作品が特別上映されることが決定した。
『大統領暗殺裁判 16日間の真実』は、1979年に起きた朴正煕(パク・チョンヒ)大統領暗殺事件とその後の12.12軍事クーデターを背景に、韓国史上最悪の政治裁判を描くサスペンス。弁護士チョン・インフ(チョ・ジョンソク)が、暗殺事件に巻き込まれた軍人パク・テジュ(イ・ソンギュン)の弁護を担当し、裁判の裏で操る合同捜査団長チョン・サンドゥ(ユ・ジェミョン)との対決が描かれる。

今回、本作公開記念として、『大統領暗殺裁判 16日間の真実』につながる事件を描いた『KCIA 南山の部長たち』、『ソウルの春』が“1979年激動の韓国近現代史特集”と題し、8月15日(金)~17日(日)『KCIA 南山の部長たち』、8月18日(月)~21日(木)『ソウルの春』がYEBISU GARDEN CINEMA にて連続上映される。
どちらも実際の事件を基に、一部フィクションを交えながら描かれた韓国の近現代史を知る上で欠かせない作品である。実際に、『大統領暗殺裁判 16日間の真実』の劇中でも、大統領暗殺そして、軍事クーデターの顛末が描かれていて、2作品との描写の違いも興味深い。
チュ・チャンミン監督も、「別の視点から歴史に注目することで、新たな映画的な面白さを感じてもらえるかもしれない」と制作意図を語っており、本作はまさに史実をより深く知るためには欠かせない1ピースともいえる。


そして韓国映画ファンには、これらの作品で同じ実在の人物がモデルの登場人物を、複数の俳優が演じていることも興味深いポイントだろう。たとえば『大統領暗殺裁判 16日間の真実』の中で、イ・ソンギュン演じる軍人のパク・テジュは、中央情報部部長(ユ・ソンジュ)の随行秘書官であり、上官の指示に従ったことで大統領暗殺事件に巻き込まれる。その事件の主犯格である中央情報(KCIA)部長は、『KCIA 南山の部長たち』では、イ・ビョンホンが演じている。


また、『ソウルの春』で、チョン・ウソン演じる首都警備司令官と対峙し、新たな独裁者として君臨すべくクーデターを決行するチョン・ドゥグァン保安司令官を演じたのはファン・ジョンミン。全斗煥(チョン・ドゥファン)をモデルにしたキャラクターを豪快に演じた姿も記憶に新しいが、『大統領暗殺裁判 16日間の真実』で、同じキャラクターを担ったのは名優ユ・ジェミョン。大統領暗殺事件の関係者たちの公判を盗聴し、裁判長に秘密のメモをリアルタイムで送り、裁判を左右するという狡猾さを体現。権力のために裁判を動かす次期独裁者を狙うチョン・サンドゥ役を通じて、ファン・ジョンミンとはまた異なる独歩的なカリスマ性を発揮する。
ちなみに、ファン・ジョンミンは『ソウルの春』の演技で、第60回百想芸術大賞・映画部門の男性最優秀演技賞を受賞し、ユ・ジェミョンがその翌年、本作の演技にて第61回百想芸術大賞・映画部門の助演男優賞を受賞。同じ人物をモデルにした役を演じた名優が連続受賞するという奇妙な因縁も。
『大統領暗殺裁判 16日間の真実』公開を前に、激動の1979年、韓国で何が起きていたのか、より深く知ることができる貴重な特集上映となりそうだ。

また特集上映限定にて、チョ・ジョンソクとイ・ソンギュンが向き合って座る本作の象徴的なシーンを切り取った特製しおりの配布も予定している。
『KCIA 南山の部長たち』は8月15日(金)~21日(木)、『ソウルの春』は8月18日(月)~21日(木)、YEBISU GARDEN CINEMAにて特別上映。
『大統領暗殺裁判 16日間の真実』は8月22日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。




