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理不尽に日常が奪われる…『アイム・スティル・ヒア』『この世界の片隅に』ほか、闘いと希望を描いた4作品

『アイム・スティル・ヒア』が8月8日(金)より全国公開。今回、本作のように理不尽に人生を奪われた“普通の人々”の<戦いと希望>姿を描いた4作品を紹介する。

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『アイム・スティル・ヒア』©2024 VIDEOFILMES / RT FEATURES / GLOBOPLAY / CONSPIRAÇÃO / MACT PRODUCTIONS / ARTE FRANCE CINÉMA
『アイム・スティル・ヒア』©2024 VIDEOFILMES / RT FEATURES / GLOBOPLAY / CONSPIRAÇÃO / MACT PRODUCTIONS / ARTE FRANCE CINÉMA 全 6 枚
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ウォルター・サレス監督(『セントラル・ステーション』『モーターサイクル・ダイアリーズ』)が手掛けた最新作『アイム・スティル・ヒア』が8月8日(金)より全国公開。今回、本作のように理不尽に人生を奪われた“普通の人々”の<戦いと希望>姿を描いた4作品を紹介する。


『この世界の片隅に』
(8月1日~終戦80周年上映開始)


絵を描くことが得意な少女・すず(のん)は、昭和19年(1944年)、生まれ育った広島市江波から20キロ離れた軍港の町・呉に嫁ぎ、18歳で一家の主婦となる。戦争が激しさを増し、生活の全てが欠乏していく中でも、すずは日々の食卓を工夫しながら守り続けていた。

そんな日常の中、日本海軍の拠点であった呉は何度も激しい空襲にさらされる。そして迎える昭和20年(1945年)の夏――。当たり前だった風景が少しずつ奪われていく恐怖の中、それでも懸命に、しなやかに暮らしを続けようとする“普通の人々”。彼らの姿は、かけがえのない“日常”の存在と、それが戦争によって否応なく破壊されていく虚しさを、あらためて私たちに突きつける。

『タクシー運転手 約束は海を越えて』
(2018年)


1980年5月、韓国で民主化を求める市民や学生たちが立ち上がり、戒厳軍と激しく衝突していた頃。ソウルで平凡に暮らすタクシー運転手マンソプ(ソン・ガンホ)は、「通行禁止時間までに光州に行けば大金を支払う」という話に飛びつき、英語もわからぬまま、ドイツ人の乗客ピーターを乗せて光州へ向かう。だがその男は、軍の暴力により封鎖された街の実情を取材しようとする記者だった。何も知らずに危険地帯に足を踏み入れてしまったマンソプは、はじめこそ状況に戸惑い、必死に逃げ出そうとするが、目の前で繰り広げられる現実を目撃するうちに、少しずつ心を動かされていく――。

市民の抵抗と自由を求める精神を象徴する<光州事件>のもとで起こった実話を基にしたドラマでもある本作。社会に無関心だった一人の男が他者の痛みや優しさに触れ、変わっていく姿に、誰もが胸を打たれるはず。なお当初、政府はこの事件を「暴徒による騒擾」と発表していたが、のちに民主化運動として再評価され、犠牲者への名誉回復や補償が進められている。


『西部戦線異状なし』(2022年)
Netflixにて配信中


第1次世界大戦下のヨーロッパ。まだ10代半ばの青年たちが<祖国のため>にという思いを胸に、西部戦線へと向かう。だが、彼らがそこで直面したのは、常に死と隣り合わせの恐怖、そして希望の見えない過酷で凄惨な現実だったー。

一瞬にして人生を破壊する戦争の凄まじさと虚しさを真正面から描いた本作は、1930年にルイス・マイルストン監督作が第3回アカデミー賞作品賞を受賞して以来、再びドイツが映画化したもの。第95回アカデミー賞では『アイム・スティル・ヒア』と同じ国際長編映画賞を含む4部門を受賞している。


『アイム・スティル・ヒア』
(8月8日公開)


1970年代、軍事独裁政権下にあったブラジル。元国会議員のルーベンス・パイヴァとその妻エウニセ(フェルナンダ・トーレス)は、5人の子どもたちと共にリオデジャネイロで穏やかな日々を送っていた。だが、スイス大使誘拐事件を契機に政情は急変。国家による市民への弾圧が激しさを増す中、ルーベンスはある日突然軍に連行され、そのまま消息を絶ってしまう。

笑いの絶えない食卓、愛する家族との時間、交わされる活発な政治の議論――。<国家>によって理不尽に奪われた、幸せな日常。だが、エウニセはルーベンスの帰還を信じ、自由を奪われ、絶望の淵に立たされながらも、何十年に渡って声を上げ続ける。彼女の揺るがぬ意志が放つ光は、観る者の胸に強く訴えかけ、深い勇気をもたらしてくれる一作。

『アイム・スティル・ヒア』は8月8日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。


《シネマカフェ編集部》

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