2012年にスコットランド沖で発生した最悪の潜水事故をリアルに描いた『ラスト・ブレス』。深海に取り残された潜水士を救うため、海へ挑む飽和潜水士・デイヴをシム・リウが熱演している。
2019年に発表され大反響を巻き起こした同名のドキュメンタリー映画の監督であり、題材となった潜水事故の裏側を知り尽くしたアレックス・パーキンソン監督がメガホンをとった本作。

リアリティを追及する監督のこだわりは並ではなく、マルタ・フィルム・スタジオの直径100メートル、水深11メートルの超巨大プールに本当の海水を流し込み、完全に“海”を再現。シム・リウたちは、その中で本物の潜水服を着用し3週間かけて深海のシーンを撮影した。

シム・リウは撮影をふり返り、「実際に、訓練はマルタの潜水プールで1週間かけて行ったんだけど、最高だった。すごく配慮されていると感じたし、潜水することにすっかりハマってしまったんだよね」とポジティブなコメント。

反面、リアルを追求するあまり多少の事故はあったようで、潜水士・クリスを演じた若手注目株のフィン・コールは潜水服の不具合により水深11メートルのプールの底で息が出来なくなったトラウマを明かし「どんな時でもシムはとても冷静で、素晴らしいシーンパートナーでした」とシムの姿勢を賞賛。
しかし、シム・リウも現場では平静を装っていたが「一日の終わりに家に帰って『今日何回溺れ死にかけた?』と自分に問いかけていました」と緊張と恐怖の日々を吐露。

しかし、撮影現場を訪れた自信が演じるデイヴ・ユアサ本人と対面し「本当にすごい話だと思った。この物語を語る一員となれたのはとても光栄なこと。彼(デイヴ)はとてもストイックかつ現実的で、感情をほとんど表に出さない。彼に会えてとても興奮したし、本当に光栄だったよ」と撮影を全力で乗り切ったことを明かした。
『ラスト・ブレス』は9月26日(金)より新宿バルト9ほか全国にて公開。


