高杉真宙主演映画『架空の犬と嘘をつく猫』の公開が決定した。
本作は、寺地はるなの同名小説の映画化。弟の死により、現実を見なくなった母親を筆頭に、家族誰もが不都合な真実から目をそらし、それでもなお一緒に暮らしている機能不全の羽猫家の約30年間の物語。
監督は『愛に乱暴』の森ガキ侑大、脚本は『浅田家!』の菅野友恵が務める。

高杉真宙が演じるのは、主人公・羽猫山吹。確かな演技力と柔らかな存在感で物語を支える。
また、山吹の幼なじみで恋人となる佐藤頼を伊藤万理華、山吹の初恋相手・遠山かな子を深川麻衣、母・雪乃を安藤裕子、姉・紅を向里祐香、父・淳吾を安田顕、祖父母を柄本明と余貴美子が演じる。
そのほか、ヒコロヒーやはなわも出演する。

さらに、羽猫一家と頼が一列に並び、それぞれがバラバラの場所を見つめている、機能不全な家族そのものを表したポスタービジュアルも到着。家族の中でのもめごとは大小関わらずつきものではあるが、それでも家族だからこそ逃れられない、そういうとき、つい思ってしまうかもしれない「家族をやめたい」。そんな人たちに、本作は一筋の光になるかもしれない。
合わせて公開された予告編では、山吹が子どものころを「全然いいことがなかった」と回想する様子からスタート。弟・青磁の死が受け入れられない母親と、それをわからせようとする紅、そんな家族から逃げ、愛人と過ごす父。
そして、「お母さん、お元気ですか」と、山吹が弟が生きているかのように母に送り続けた手紙が読まれる。大人になり、そのころのことを「けなげな子のフリばしとっただけ」と語る山吹に、祖母が「あんたもあんたの人生、生きんしゃい」と語りかけるシーンも。そんな家族がどう変わっていくのか、注目だ。
コメント
森ガキ侑大監督
「家族」という集合体は、愛情や安心を与えてくれる存在であると同時に、葛藤や緊張の源にもなる。
私にとってまだ得体の知れない存在です。
そんな「やっかいで愛おしい家族」を、素晴らしいキャストとスタッフと共に佐賀の優しい風と風景の中で紡ぎました。
主演の高杉くんをはじめ、全員が本当に生き生きと輝いていて、その姿に何度も心を動かされました。
この映画は、ゆっくりと流れる川のように「時」が過ぎていく物語です。まさに人生そのもの。
そして、その「時」のほんの一部に、観客のみなさんの人生を重ねていただけたら、これほど幸せなことはありません。ぜひ劇場で体験していただきたいです。
そして、寺地先生に心から感謝しています。この繊細であたたかく、そして少しほろ苦い物語を映画として演出させていただけたこと。
高杉真宙
家族のカタチは、それぞれの家庭にあり、他人には見えないだけで、順風満帆なだけのカタチはないと知らないだけで、そこにはそこの苦労があるんだと。
それでも家族だから、カタチを維持するために、山吹含め、それぞれが嘘を抱えた家族の物語となっております。
嘘と愛の物語です。
よろしくお願いいたします。
伊藤万理華
自然がいっぱいな佐賀の景色は、人と人が関わるヒリヒリとした瞬間もやさしく見守り包んでくれていました。
季節が移り変わる中で、唯一変わらない山吹と頼の2人の時間がとても好きでした。
撮影に戻るたび、おかえり!と笑顔で迎えてくださったチームの皆さまに支えられ、大切に寄り添えた特別な作品です。
深川麻衣
タイトルに入っている「犬」と「猫」の意味が、読んだあととても愛おしく感じました。
なにが正解でも不正解でもなく、0でも100でもなく、それでいいんだよと、山吹の人生を通して自分まで丸ごと肯定してもらえるような、とてもあたたかい作品です。
ぜひ劇場で楽しんでいただけたら嬉しいです。
『架空の犬と嘘をつく猫』は2026年1月9日(金)よりTOHO シネマズ日比谷ほか全国にて公開。

