谷崎潤一郎の名作「鍵」がいまおかしんじ監督により映画化されることが決定した。公開は2026年を予定している。
「鍵」は谷崎潤一郎が昭和31年に発表した作品で、老夫婦の日記を交互に描く手法で性の深奥を描き出す。過去には市川崑、神代辰己、池田敏春ら名匠によってたびたび映像化されてきた。
今回は舞台を現代に置き換え、大胆なオリジナルストーリーとして映画化。挑戦するのは脚本・監督業30年目を迎えたいまおかしんじ。映画監督として多彩な作品を手がけるほか、「死神バーバー」では初のテレビドラマ監督を務め、また脚本家としても劇場アニメ『化け猫あんずちゃん』が国際的な評価を受けるなど活躍をみせるいまおか監督が、ユーモアあふれる温かい視線で「老いの性」から「夫婦愛」の物語へと変容させる。
共同脚本を『真夏の果実』に続きタッグを組む松本稔が務める。
キャスト情報も解禁。余命宣告を受けた主人公・剣持を演じるのは映画・TVドラマ・舞台と幅広い分野で活躍する吹越満。剣持の年の離れた妻・郁子を『海の沈黙』(若松節朗監督)で映画初出演ながら大きな存在感を残した菅野恵が演じるほか、物語のキーパーソンとなる男性・木村に『愛のぬくもり』以来2度目のいまおか組への参加となる小出恵介が扮する。
吹越からは「どちらかというとMの僕が思いきりMのおじさんを演る映画の撮影が始まります」と意気込むコメント。菅野は「新たな『鍵』としておかしみと温もりのある作品になっていると感じました」と脚本の印象を語る。小出からは、「不思議なキャラクターばかりの中、果たして木村は何を担うのか・・・。現場でのいまおか節も併せて、楽しみにさせて頂く次第です!」と期待を込めたコメントが到着している。
コメント全文
吹越満

どちらかというとMの僕が思いきりMのおじさんを演る映画の撮影が始まります。
かなりタイトなスケジュールでかなりのシーンを撮るみたい。
これは大変ではありますが、Mの俳優にとって楽しみではあるわけです。
菅野恵

原作の艶かしさに怯みそうになりながらオーディションを受けたのですが、頂いたシナリオはその雰囲気ともまた違い、新たな「鍵」としておかしみと温もりのある作品になっていると感じました。いまおか監督のもと、どんな風にシーンが立ち上がっていくのか今からとてもワクワクしています。
小出恵介

いまおか組再び! 木村役の小出恵介です。
前回とは違うしっとり、大人な世界観が台本から薫ります。
不思議なキャラクターばかりの中、果たして木村は何を担うのか・・・。現場でのいまおか節も併せて、楽しみにさせて頂く次第です!
吹越さんとは銀平町ぶり!非常に、非常に楽しみにしております 沢山振り回してもらおう!!
いまおかしんじ(脚本・監督)

妻を抱きたい。ただそれだけのために愚かなことを繰り返す。涙ぐましくみっともなくそれでも必死に生きようとする人たち。あんたらもアホやけど俺もアホや。お互い悶絶してどんでん返ししましょう。撮影が楽しみでしかない。
『鍵』は2026年公開予定。

