『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』より、スコット・クーパー監督からコメントが到着。併せてジェレミー・アレン・ホワイトが演じるブルース・スプリングスティーンの悩める素顔に迫る新場面写真5点がシネマカフェにて独占解禁となった。
本作は、ロックの英雄、そしてアメリカの魂と称され、50年にわたって第一線を走り続けるブルース・スプリングスティーンの若き日を描く感動の音楽ドラマ。「一流シェフのファミリーレストラン」のジェレミー・アレン・ホワイトが、言葉少なに、しかし圧倒的な存在感でスプリングスティーンを演じている。

スコット・クーパー監督はジェレミー・アレン・ホワイト起用のポイントとして、「彼は1981年と82年のブルースに外見が似ているだけでなく、ブルースの妻であるパティ・シアルファも、セットでジェレミーを見たときに『なんてこと、彼が初めて会った頃のブルースにそっくり』と言うほど、ブルースと共通する資質を持っている」と語る。「これは単なる模倣の映画ではありません。ブルース・スプリングスティーンはただ一人しかいないのですから、この映画はブルースの本質を見出す映画です。今では象徴的な存在となったこれらの楽曲が、どのようにして生まれたのかという親密な体験に、観客を完全に没入させたいと思ったのです」と、名盤「ネブラスカ」の孤独な創作過程を描いた。

スプリングスティーンを演じたジェレミー・アレン・ホワイトは、「アルバム最後の曲『Reason to Believe』についてブルースと何度も話した。この曲はいつも私に小さな希望を与えてくれるが、ブルースは公の場で『このアルバムで最も希望に満ちていない曲だ』と語っている」とホワイトは冗談めかして言う。「でも、このアルバムは特に孤独や人間、そして無名について歌っていると思います。自分が迷ったり、少し孤独を感じたりした時はいつも、このアルバムに支えられてきました」と、名盤「ネブラスカ」に対する特別な想いとスプリングスティーン本人に何度も確かめたとふり返る。

制作期間中、スプリングスティーンはホワイトに必要なだけ自由に演じてもらおうと全面的に協力し、彼がアドバイスを求めたときはいつでも助言をした。その隣には当時のマネージャー、ジョン・ランダウ本人もいた。「ブルースとジョンが現場にいたことで、この映画は実に生き生きとした真実味に溢れたものになった」と語る監督は、「ジョン・ランダウは実際に、私にこう言ったんです。『スコット、ブルースが50年のキャリアの中で、初めて誰かに舵を託したんだ』と」、ボスの盟友であるランダウからスプリングスティーンが監督に対して全幅の信頼を寄せていると伝えられたという。

1981年末から1982年にかけて、スプリングスティーンは人生で最も深い谷底に落ちた。孤立し、過去の家族の問題という過去の影と向き合っていた彼の創作は次第に人間の暗く悲しい領域へと向かっていく。どの写真からも孤独に創作活動を続ける若き日のスプリングスティーンがとらえられている。
今回解禁された5枚の場面写真では、アコースティック・ギターに身を任せるかのように俯いている姿をとらえている。続いて、ギターには見向きもせずに物思いに耽るスプリングスティーン。共に深く考え込んでいる様子が窺える。

また、アメリカの女流作家フラナリー・オコナーの短編集を読んでいる場面も。彼女の著作「善人はなかなかいない」は、マーティン・マクドナー監督の『スリー・ビルボード』にインスパイアを与えた短編といわれているが、孤独な創作を続けていたスプリングスティーンにオコナーの短編は大きな影響を与えたようだ。
続いて、革ジャンに両手を突っ込んだスプリングスティーンが、夜のニューヨークをたった1人で歩いているカット。どこか所在なく、放心したような表情が印象的な一枚だ。

そして、特に注目したいのが、リビングルームで寝そべったスプリングスティーンが、数あるレコードコレクションから1枚のアルバムを選んで轟音を浴びている場面。部屋中に響き渡る曲は、スーサイドの「フランキー・ティアドロップ」だ。この時、「ネブラスカ」の収録を手伝っていた古くからの友人マイク・バトラン(ポール・ウォルター・ハウザー)が部屋を訪れ、耳をつんざくようなその音量にたじろぐことになる。その後、スプリングスティーンは、2005年にスーサイドの「Dream Baby Dream」をカバーし、ライヴでも度々披露している。
そんなスプリングスティーンを演じたジェレミー・アレン・ホワイトには、「その変貌ぶりはまさに驚異的」“Deadline”、「カリスマ性はまさに完璧」“THE WRAP”「説得力のあるスプリングスティーン」“Indiewire” など激賞が続出。ギター、ハーモニカ、歌唱トレーニングを続け、若き日のスプリングスティーンを体現した演技に全米の批評家から絶賛の声が数多く寄せられている。
『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』は11月14日(金)より全国にて公開。


