中野量太監督が脚本・監督を務めた『兄を持ち運べるサイズに』より、兄(オダギリジョー)の元嫁・加奈子を演じる満島ひかりと、娘役の青山姫乃、息子役の味元耀大の場面写真が解禁となった。
本作は、作家・村井理子氏の実体験を綴ったノンフィクションエッセイ「兄の終い」を原作に、実の兄の死をきっかけに、妹・理子がもう一度“家族”を想いなおすてんてこまいな4日間を描いた物語。幼い頃からマイペースで自分勝手な兄に振り回されてきた妹・村井理子を柴咲コウ、ダメ兄をオダギリジョー、そして兄の元嫁・加奈子を満島ひかりが演じている。

本作で中野量太監督と初タッグとなった満島は、「はじめて脚本を読んだ時に、たくさん泣いてたくさん笑いました」と、監督が描いた脚本に感動を受けたとコメント。中野監督は、「この役は(満島さんに)絶対にハマるはず」とオファー時から満島にぴったりな役だと確信していたという。さらに、撮影現場をふり返った監督は、「満島さんはとてもこだわって取り組んでくれる方で、子どもたちとのコミュニケーションや村井さんをはじめとする方々への取材など、ご自身の方法論と照らし合わせながら参加して下さいました。こちらの想いに応えようとしてくれる姿勢が嬉しかったです」と、満島への感謝を語った。

本作では、子どもたちも物語のキーパーソンとして映し出されている。兄(オダギリジョー)と加奈子の娘で、現在は母・加奈子と暮らす満里奈を青山姫乃、兄に引き取られた弟・良一を味元耀大が演じる。2人は共にオーディションで中野監督の目に留まり、抜てきされた。

青山は本作が初映画出演となるが、監督は経験値における不安を跳ねのけても彼女の起用を希望したという。「“この映画には彼女が必要。最終的に絶対に良くなる”と姫乃ちゃんに賭けました。姫乃ちゃん自身がとてもたくましい子で、現場でもすぐに満島さんと打ち解けて、楽しそうにおしゃべりしていました」と、青山のたくましさに助けられたと明かした監督。母親役の満島も8月に行われた完成披露試写会にて、「初めての映画なのに肝が据わっていた」と、青山を称賛した。

一方、兄と一緒に暮らしていた息子・良一を演じた味元について監督は、「こんな子役がいるんだ」と、驚いたという。さらに、「良一は物静かな子のためちょっと陰のある子役を探していたのですが、味元くんはその部分を持っているだけでなく、オーディションの時から自分のリズムで芝居をしていました。大体オーディションでは与えられたセリフを言うものですが、彼はその時点で自分自身の言葉にしようとしていたのです。とても珍しくて面白い逸材だと感じ、選びました」と、味元の繊細な感性に惹かれたと語った。

この度、満島演じる加奈子、青山演じる満里奈、味元演じる良一の場面写真も解禁。離婚後は別々に暮らしていた加奈子と満里奈は、元夫(オダギリジョー)の遺体と遺品を整理するため宮城県多賀城市に駆け付け、妹・理子(柴咲コウ)と共に兄の遺品整理を始めることになる。

今回解禁された場面写真では、サバサバとした性格で義妹・理子(柴咲コウ)と子どもたちを支える加奈子の姿や、夫であり父親である「兄」の遺体を眺める加奈子と満里奈の姿。そして、別々に暮らしていた息子・良一を兄の死をきっかけに引き取ることになった加奈子が、良一と少しずつ距離を縮めていく様子など、家族の再生を予想させるシーンが切り取られている。
『兄を持ち運べるサイズに』は11月28日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。



