山田洋次監督91本目の最新作『TOKYOタクシー』が、11月21日(金)に公開を迎える。
本作は、フランス映画『パリタクシー』を原作に、東京を舞台に人生の喜びを謳いあげる、奇跡と希望の物語。
タクシー運転手・宇佐美浩二(木村拓哉)は、終活に向かう高野すみれ(倍賞千恵子)を柴又から葉山の高齢者施設まで送ることに。その道中ですみれは、人生の節目を辿る“最後の旅”を提案する。その出会いが、2人の心を揺さぶり、人生を変えていく。

すみれ役の倍賞は、山田監督作品には欠かせない存在。『下町の太陽』でタッグを組み、『男はつらいよ』シリーズでは共に映画界を牽引してきた。山田監督にとって倍賞は、作品世界に命を吹き込む唯一無二の役者であり、「僕にとってはありがたい存在」と言うほど信頼を寄せている。
デビュー間もない時から喜びも悲しみも分かち合い、熾烈な映画界を共に生き抜いた盟友ともいえる倍賞について山田監督は、「彼女は子供の頃から苦しい生活をしてきた人だから、“働いて生きる”ということをよく知っている。彼女がカバンを持って歩いているだけで『これから働きに行く』と感じ取れる。彼女がいるだけで世界が現実味を帯びてくる」と、日常の何気ない瞬間を描く山田監督作品にとって、不可欠な存在となっていた。

『幸福の黄色いハンカチ』では夫を信じて待つ女性・光枝を、『小さいおうち』では時代を生き抜いた証人・タキを演じ、倍賞は人生の深みを重ねるごとに、山田監督作品の世界を豊かにしてきた。そんな倍賞の魅力について山田監督は「料理でもスパイスをひとつ加えるだけで全体の味が変わる。倍賞さんはまさにそういう存在。彼女は共演者の芝居を上手く見せてくれる」と明かす。
91本のうち70本、共に作品を造り続けてきた2人。山田監督にとって倍賞は、監督人生をふり返る上で欠かせない人物であり、そんな深い信頼関係で繋がっている2人の絆をスクリーンで感じられるはず。

『TOKYOタクシー』は11月21日(金)より全国にて公開。



