ジョシュア・オッペンハイマー監督最新作『THE END(ジ・エンド)』より、ティルダ・スウィントンが地下シェルター生活で纏う豪華なファッションを捉えたシーン写真6点と、監督によるキャスト起用理由を語ったインタビューテキストが解禁された。
本作は、『アクト・オブ・キリング』、『ルック・オブ・サイレンス』で世界的に注目を集めたジョシュア・オッペンハイマー監督が、ティルダ・スウィントンを主演に迎えた黙示録的ミュージカル。

環境破壊によって居住不可能となってから25年後の地球が舞台。地下シェルターで豪華な暮らしをしていた母、父、息子の3人だったが、ある日、見知らぬ少女がシェルターに現れたことで、彼らの日常が一変する様子を描く。


この度解禁されたのは、地下シェルターで暮らす母(ティルダ・スウィントン)が纏う、白を基調としたクールなファッションを捉えたシーン写真6点。

ゆったりとしたシャツやシャツワンピース、肌触りの良さそうな薄手のセーターなど、その静謐な色合いと構築的なシルエットを身につけた母のスタイルはいずれもいわゆる「シェルター生活」とは対照的であり、どこか浮世離れした豪華なものである。いずれも、嘘と欺瞞に溢れた家族の生活を際立たせる印象的な装いとなっている。

その徹底した世界観の構築は、メインキャストの人選段階からすでに始まっていた。その一例として、必ずしも「歌唱力」で知られているわけではない俳優たちがあえて起用されている。
その意図についてジョシュア・オッペンハイマー監督は「最も美しいのは”そのキャラクターに忠実な声”です。同時に、最も脆いものは”危機に瀕したキャラクターの真実の声”でもあるのです」と語っている。

さらに、母役のティルダ・スウィントンについては、「細く透き通るようなソプラノを適切に備えており、その声がキャラクターの緊張感や、歌を通して幻想にすがろうとする絶望の張り詰めた状態にぴたりと合っている」と高く評価。

一方、父役のマイケル・シャノンについては、「美しい蜜のような声を持つ」とし、歌の「うまさ」以上に「役柄が要求する資質を備えた俳優であることが重要だった」と強調。さらに「これらは完璧に音程が取れているとは限らない“キャラクターの声”です。音程は正確でも、グロテスクなほど磨き上げられた製品ではない。歌が最も深い真実を伝えるべき映画において、それは誤りであり、嘘になってしまう」と述べる。
そして最後に、「あらゆる疑念の揺らめき、あらゆる恐怖の揺らめき、あらゆる憧れの震え、それらを刻み込むような“顔”を探していたのだと思います」と締めくくっている。
『THE END(ジ・エンド)』は12月12日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国にて公開。



