「カンヌ監督週間 in Tokio 2025」にて映画『国宝』トークイベントが12月16日(火)、都内劇場にて行われ、出演する吉沢亮、横浜流星、李相日監督、ジュリアン・レジ(「監督週間」アーティスティック・ディレクター)が出席した。6月の初日舞台挨拶以来、3人での登壇となったこの日、開口一番に李監督は横浜に「待ってたよ!」と言い、吉沢も続いて「大河、お疲れさま!」とそれぞれと抱き合い横浜の活躍をねぎらっていた。
『国宝』は実写の邦画における歴代1位の興行収入を記録した、国内外の話題作。任侠の一門に生まれ、上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎に引き取られ、歌舞伎の世界へ飛び込んだ喜久雄(吉沢)と、半二郎の実の息子として、生まれながらに将来を約束された御曹司・俊介(横浜)の、激動の運命を描き出す。

ジュリアンが、ここまで実写邦画として大成功したということ、日本人に響いて支持されている理由は何かと問うた。李監督が幅広い年齢層の観客に観ていただいている点を挙げ、何よりも映画体験のすばらしさを自身になぞらえて話した後、付け加えて「この二人が美しければいいんだなって。物語も当然ですけど、大事な要素だったのかな。映画の力と美の力で、どうでしょう?」とユーモア混じりでまとめると、吉沢と横浜が「我々が美しい…ってことになるのかな(笑)」と微笑みあう。

さらに、ジュリアンが李監督のこだわりの強さについて吉沢&横浜に「しばしば名映画監督は暴君的なところもありますが、撮影のとき大変だったことは?」と質問をぶつける。吉沢は「何回もやらされるのもそうなんですけど、なぜやらされるかがわからないところ。普通は演出がありますが、監督の場合は“もう1回”しか言わない。それが監督の厳しさでもあり愛情でもあるなと現場で受け取っていました。なかなかしぼられたなと思いました」と思い起こした。

横浜は本作で李監督とは二度目のタッグとなった。「1作目のときはもっとわからず、どうすればいいんだろうと暗闇の中で必死に答えを探していた。でも、こんなにも我々の中にあるものを信じて、妥協せずいてくれる監督も多くないんです。必死にもがいて、答えを見つける時間を、許されうる限り信じてやってくださる人はいないので、幸せでした」と横浜が熱弁し、吉沢もうなずく。

しかし、吉沢はさらに「撮影後半になると、監督が“喜久ちゃん、今からすごい難しいこと言うね”って笑顔で近づいてくるんです。うれしそうで、悪魔みたいな顔をして(笑)。喜久雄はこういう悪魔と契約したんだなと思いました(笑)」と言うと、李監督も笑顔で受け止めていた。
「カンヌ監督週間 in Tokio 2025」は12月25日(木)まで開催、映画『国宝』は全国にて公開中。


