壮大な歴史ドラマ『奇皇后-ふたつの愛 涙の誓い-』で、物語の中心に立ち続けたハ・ジウォン。その圧倒的な存在感は、長年にわたり第一線を走り続けてきた女優としての歩みを象徴している。
1978年生まれのハ・ジウォンは、2000年代に入ってから一気に知名度を高め、映画・ドラマを問わず多彩な作品で印象的な演技を残してきた。年齢を重ねた今もなお若々しさを失わず、現場では後輩俳優たちから慕われる存在である。その姿は、単なるベテランではなく、韓国芸能界を代表するトップ女優そのものだ。
彼女のキャリアを語るうえで欠かせないのが、時代劇での活躍である。『チェオクの剣』では激しいアクションを軽やかにこなし、女優としての身体能力と表現力を強く印象づけた。さらに『ファン・ジニ』では、舞と感情表現を融合させた演技によって、映像美と物語性を同時に成立させ、視聴者を魅了している。
そうした経験の集大成とも言える作品が『奇皇后』だ。ハ・ジウォンが演じたスンニャンは、高麗王ワン・ユと元の皇帝タファンという二人の男性の間で揺れ動きながら、激動の時代を力強く生き抜く女性である。愛と権力、運命に翻弄される複雑な人物像を、彼女は繊細かつ大胆に描き切った。
この作品はスケールの大きさゆえに撮影環境も厳しく、肉体的にも精神的にも負担の大きい現場だったという。しかしハ・ジウォンにとって、その現場は決して重苦しいものではなかった。

理由は明確だ。共演したチュ・ジンモとチ・チャンウクの存在である。
ワン・ユ役のチュ・ジンモは、撮影の合間になると卓越したユーモアで現場の空気を一変させる人物だった。物まねや即興の芝居で笑いを誘い、張り詰めた雰囲気を和らげていたという。一方、タファン役のチ・チャンウクも冗談好きで、常に周囲を笑わせるムードメーカーだった。重厚なドラマの世界観とは対照的に、現場は明るく活気に満ちていた。
厳しい時代劇の撮影を最後まで乗り越えられたのは、こうした共演者たちの支えがあったからこそだ。ハ・ジウォンにとって『奇皇后』は、女優としての力量を示した代表作であると同時に、人との縁の大切さを実感させてくれた特別な作品だったのだ。
構成=韓ドラLIFE編集部
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