※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

吉沢亮&横浜流星&森七菜&見上愛ら、2025年『国宝』俳優の目覚ましい活躍をふり返る

2025年を代表する1作であり、社会現象ともなった『国宝』の主演・吉沢亮や、共演の横浜流星、森七菜ら、突出した活躍ぶりを見せた注目俳優をピックアップ

最新ニュース コラム
注目記事
『国宝』©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025映画「国宝」製作委員会
『国宝』©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025映画「国宝」製作委員会 全 26 枚
拡大写真

邦画実写映画として22年ぶりに歴代興行収入1位の記録を塗り変え、米アカデミー賞国際長編映画賞のノミネート候補(ショートリスト)入りも果たした『国宝』。間違いなく2025年を代表する1作であり、社会現象ともなった本作の主演・吉沢亮や、共演の横浜流星森七菜らは、本作以外にも突出した活躍ぶりを見せた。

来たる2026年への期待とともに、『国宝』の注目俳優たちの2025年をふり返った。

朝ドラ「ばけばけ」でも魅力発揮の吉沢亮、コミカルな掛け合いも話題に

作家・吉田修一と李相日監督の3度目のタッグとなった『国宝』で、「吉沢亮しか思い浮かばなかった」と監督に言わしめた吉沢。第50回報知映画賞にて主演男優賞を受賞、第17回TAMA映画賞において2年連続で最優秀男優賞を受賞しており、年明けはさらに受賞ラッシュが加速するだろう。

演じたのは、任侠の一門に生まれながらも歌舞伎役者の家に引き取られ、やがて人間国宝と呼ばれる稀代の女形になっていく主人公・喜久雄だ。

李監督の『悪人』(2010)では一般の視聴者、『怒り』(2016)ではオーディションの参加者だった吉沢が、壮絶な稽古を乗り越え、ついに今作で邦画実写歴代NO.1の座にたどり着いた。

『国宝』©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025映画「国宝」製作委員会

妖艶ながら儚い虚無も漂わせる喜久雄とは打って変わって、現在放送中の連続テレビ小説「ばけばけ」では、外国人教師として松江にやってきたレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)を公私にわたってサポートする松江随一の秀才・錦織友一として、そのイメージを塗り替えるようなコミカルな演技を度々披露。

ぎこちなさすぎるスキップや、「ずっといたのに」気づかれない存在感、友情を感じていたヘブンに「通訳であり、お世話係」にすぎないと言われたことに心を痛める様子など、人間味あふれる姿は「今日も不憫な錦織さん」「真摯に演じれば演じるほどおかしみが増す」など好評を得ている。

今年10月に公開されたVaundyによる大河ドラマ「青天を衝け」のインスパイアードソング「偉生人」MVにも自ら出演しており、背中で語る吉沢、号泣する吉沢など魅力満載となっている。

2026年には、映画化もされたブロードウェイの大ヒットミュージカル「ディア・エヴァン・ハンセン」日本版にて、主人公のエヴァン・ハンセン役を演じる(柿澤勇人とのWキャスト)。「数年前、ブロードウェイで初めて観た時からずっと心の中に残り続けていた」という傑作ミューカルで、吉沢は新たな挑戦へと向かう。

横浜流星、大河ドラマ「べらぼう」を駆け抜ける

『国宝』では喜久雄と兄弟のように育ちながら、生まれながらに将来を約束された“血筋”をもつ名門の御曹司・俊介を演じた横浜。

『国宝』©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025映画「国宝」製作委員会

先日12月14日には、NHKドラマ初出演にして大河ドラマ初主演を果たした「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で“江戸のメディア王”蔦屋重三郎を演じ切ったばかり。

ときに“お上”に目を付けられても、面白さを追求し続けた蔦重。その先見の明を通じて描かれる生き生きとした江戸町人文化の興隆は大河ドラマでは珍しく、まさに日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎が粋に描かれる機会となった。

江戸の寵児、蔦重を生き切ったかと思えば、『花束みたいな恋をした』やドラマ「カルテット」の脚本家・坂元裕二&監督・土井裕泰が再びタッグを組んだ映画『片思い世界』では広瀬すずの“片思い相手”・高杉典真としてピアノ演奏にも初挑戦。

岡田准一が主演・プロデューサー・アクションプランナーを務め、“盟友”藤井道人がメイン監督を務めたNetflixシリーズ「イクサガミ」では原作者・今村翔吾が当て書きをしていたという最狂の剣士・天明刀弥としてサプライズ登場、強烈な印象を放った。

Netflixシリーズ「イクサガミ」独占配信中

2026年には、広瀬すずと共演する『汝、星のごとく』の公開が秋に控える。「流浪の月」凪良ゆうの最高傑作との呼び声も高い「第20回本屋大賞」受賞作の映画化を熱望した横浜が、藤井監督に提案したことをきっかけに今作が実現。青埜櫂として久々に制服にも身を包み、15年に渡る愛の物語を紡ぐ。

『汝、星のごとく』©2026「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

森七菜『秒速5センチメートル』から「ひらやすみ」まで多彩な魅力

『国宝』では上方歌舞伎の大物役者・吾妻千五郎(中村鴈治郎)の娘で、失意の喜久雄とともにドサ回りをする彰子役を演じた森。喜久雄を無邪気に慕う女子大生から、場末の舞台に立つ彼の身の回りの世話を疲れ果てながら行う姿まで映画の中で振り幅のある演技を見せた。

『国宝』©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025映画「国宝」製作委員会

『ファーストキス 1ST KISS』では主人公・硯カンナ(松たか子)の部下である美術スタッフ・杏里役で、出演時間は長くはないものの印象を残し、『フロントライン』では新型コロナウイルスに混乱する豪華客船で英語を駆使しながら不安な乗客に寄り添った。

『秒速5センチメートル』でも、いつも遠くを見ている遠野貴樹(青木紬)のすぐ隣で、彼に思いを寄せる花苗をサーフィンにも挑戦しながら好演。

また、話題を呼んだ夜ドラ「ひらやすみ」で、山形から上京してきた主人公ヒロトのいとこ・“なっちゃん”こと小林なつみの力の抜けた自然体の演技は「ピッタリ」「楽しかった」と高い支持を得た。

2026年春公開予定の主演作『炎上』は米サンダンス映画祭NEXT部門に選出されており、国内外からさらに注目を集めそうである。

映画『炎上』

黒川想矢、次世代俳優としての圧倒的存在感

『怪物』で是枝裕和監督に起用され一躍注目を集めた黒川は、『国宝』では吉沢演じる喜久雄の少年時代を演じ、先日TAMA映画祭最優秀新進男優賞を受賞。「今も歌舞伎の稽古を続けています」と明かして話題となった。

3時間もの大作『国宝』に観客が序盤から引き込まれていったのは、この黒川や、俊介役の越山敬達、春江役の根本真陽らの熱演があったからこそ。

『国宝』©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025映画「国宝」製作委員会

さらに黒川は、コロナ禍を背景にした辻村深月の同名青春小説の映画化『この夏の星を見る』でも主演の桜田ひより、水沢林太郎や中野有紗、早瀬憩ら、次世代を担う俳優たちと共演。

『アフター・ザ・クエイク』では2020年のコロナ禍の始まりを舞台にしたエピソードで、“神の子ども”と呼ばれることに反発していく宗教2世・善也(渡辺大知)の少年時代を演じた。

『アフター・ザ・クエイク』©2025 Chiaroscuro / NHK / NHKエンタープライズ

『秒速5センチメートル』奥山大史監督によるマイナビWEB CM、レミオロメン「3月9日」(歌唱:三浦透子)をテーマソングにした「夏が終わった。未来がはじまった。」も公開中。「なんで私が神説教」の染谷隼生らと共演している。

なお、喜久雄の親友・徳次役を演じた下川恭平も、吉沢出演の「ばけばけ」小谷役でしっかりと印象を残していた。

瀧内公美、映画・ドラマ・舞台で縦横無尽に活躍

『国宝』では人間国宝に上りつめた老年の喜久雄に、“悪魔はん”と取引して魂を売った代償を突きつける人物として深い余韻を与えた瀧内。

『国宝』©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025映画「国宝」製作委員会

第17回TAMA映画祭にて『敵』『レイブンズ』『奇麗な、悪』『ゆきてかへらぬ』『ふつうの子ども』『宝島』といった多彩な作品への出演と役柄が評価され、最優秀女優賞を受賞した。

『レイブンズ』©Vestapol, Ark Entertainment, Minded Factory, Katsize Films, The Y House Films

そのほかにも、広瀬すず主演「クジャクのダンス、誰がみた?」、櫻井翔主演「放送局占拠」、大東俊介主演「シバのおきて ~われら犬バカ編集部~」、吉岡秀隆&野田洋次郎主演「連続ドラマW 夜の道標 -ある容疑者を巡る記録-」、さらには連続テレビ小説「あんぱん」で戦中のヒロイン・のぶ(今田美桜)に大きな影響を与える女子師範学校の黒井雪子先生に。

草彅剛主演舞台「シッダールタ」にも参加するなど、様々なジャンルの作品で縦横無尽な活躍ぶりを見せた。

第38回東京国際映画祭ではナビゲーターを務めあげ、日本を代表する俳優としてネクストステージに立っている。

次期朝ドラヒロインで新風巻き起こす、見上愛 

『国宝』で瀧内が演じた綾乃の母、藤駒役で、これまでにない大人びた雰囲気と演技を見せた見上。

月9ドラマ「119エマージェンシーコール」では、冷静沈着で人付き合いが苦手な指令官制員・新島紗良を演じ、漫画家・東村アキコ自らが脚本を手掛けた『かくかくしかじか』では「FLIPPER'S GUITAR」が大好きな「渋谷かぶれのサブカル女子」北見役に。

「KATE」「23区」「三井アウトレットパーク」「SCREENホールディングス」などCMにも引っ張りだこだ。

アニメが大好きという見上は、声優に初挑戦したSTUDIO4C制作のアニメ映画『ALL YOU NEED IS KILL』が2026年1月9日(金)より公開、主人公の女性戦士リタを演じる。

トム・クルーズ主演でハリウッド実写映画化もされた桜坂洋のSFライトノベルを原作にした今作では、未知の生物の襲来でタイムループに閉じ込められてしまったリタの目を通した戦いが描かれる。

『ALL YOU NEED IS KILL』©桜坂洋/集英社・ALL YOU NEED IS KILL製作委員会

現在は、2026年前期連続テレビ小説「風、薫る」の撮影真っ最中。「ミスセブンティーン」出身でオーディションから選ばれた上坂樹里(大家直美役)とともにヒロインを務める。

上坂樹里&見上愛「風、薫る」©NHK

演じるのは、文明開化が急速に進む明治、若くしてシングルマザーとなり、当時まだ知られていなかった看護の世界に飛び込んだ一ノ瀬りん。初めて西洋式の看護学を学んだトレインドナース(正規に訓練された看護師)を描く朝ドラで、新たな風を巻き起こしてくれそうだ。

『国宝』は全国にて公開中。


国宝上青春篇 (朝日文庫)
¥850
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
国宝下花道篇 (朝日文庫)
¥850
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

+ 続きを読む

特集

この記事の写真

/

関連記事

【注目の記事】[PR]