韓国では2013年から2014年にかけて放送された『奇皇后』。主演を務めたのは女優のハ・ジウォンの相手役を務めたのがチュ・ジンモだ。
チュ・ジンモが演じたのは高麗の王ワン・ユ。世子時代には放蕩生活を送っていたが、それは敵を欺くため。王になったあとも試練は続くが、それを乗り越えていく姿に共感を覚えた視聴者たちも多かった。
しかし、『奇皇后』以降。チュ・ジンモはヒット作に恵まれていない。それどころかここ5年近く、俳優活動もままならない状態にある。

すべてのキッカケはハッキング・脅迫事件からだった。
2019年、ソウル大学医学部出身の家庭医学科専門医ミン・ヘヨンと結婚し、幸せな家庭を築いたチュ・ジンモ。だが2020年1月、携帯電話のハッキング・脅迫事件に巻き込まれ、プライベートな内容が一部流出した。
ネット上で広がったチュ・ジンモのメッセージのやり取りは、日常的なものから、口にすることも恥ずかしいレベルの対話、写真ファイルなどが含まれていた。
所属事務所は当時、「最近、チュ・ジンモの個人携帯がハッキングされ、芸能人という理由でプライバシー侵害されただけでなく、個人のデータを報道機関に公開するという悪意的な脅迫と金品の要求を受けている」として、ハッキング被害とともに強力な対応をすると伝えた。
チュ・ジンモのハッキング報道から3カ月が過ぎた頃、一味のうち2人が検挙された。2人はチュ・ジンモを含め、多くの携帯電話をハッキングし、個人情報などを流出すると脅迫していたという。
実際に恐喝犯から金銭を要求された5人の芸能人は、計6億ウォンを支払ったことが判明したが、チュ・ジンモは警察に即時通報し、金銭的な被害は避けることができた。
最終的に恐喝犯たちは法の裁きを受けた。彼らはボイスフィッシングを用いてチュ・ジンモを含む著名人8人の携帯電話をハッキングし恐喝した。女優ハ・ジョンウも被害者の一人であり、犯行グループが脅し取った金額は総額6億1000万ウォンに上るとされる。この犯罪グループのリーダー格である姉妹とその夫たちは、それぞれ5年から1年4ヶ月の懲役刑を受けた。
ただ、事件後も、チュ・ジンモはテレビでの姿を見ることはほとんどなかった。ハッキングによる流出内容に低俗で露骨な表現が含まれていたことで、厳しい世論の批判にさらされたためである。法的には彼が被害者であったが、世論の裁きからは自由ではなかった。
事件後、妻のミン・ヘヨンは医師として様々なバラエティ番組に出演したが、チュ・ジンモは約5年間、静かに過ごすしかなかった。
2024年1月、バラエティ番組でテレビ復帰を果たし、2025年2月には日本でファンミーティングも行なったチュ・ジンモ。俳優として復活する日はいつだろうか。
文=韓ドラLIFE

