「さあ、始めようかぁ? 宴の時間だ!」見た瞬間に猗窩座の声が聞こえてきそうなビジュアル。手に汗握る炭治郎の緊張まで伝わってくる……。でも、これは刺繍なのだ。ええっ?
劇場版『鬼滅の刃』の「猗窩座再来 第二弾キービジュアル」をモチーフにした刺繍作品の制作過程を記録した動画が、Instagramに投稿され、精巧な表現力が注目を集めている。
投稿したのは、SNSで刺繍作品を発表している陽-haru-さん(haru_hm427)。糸の光沢を生かした独自の表現方法や、制作へのこだわりが話題となっている。
この刺繍を始めたきっかけは、劇場版の猗窩座のキービジュアルを初めて見た瞬間の強烈な印象であるという。
「はじめて見た時、あまりに印象的すぎて、ずっと頭に残ったからです。難易度が高いのは明らかだったのでしばらくは保留していたのですが、挑戦してみたい気持ちが消えず、やってみることにしました。青が鮮やかで、刺繍にして飾ったら目を引くだろうなと思いました」
今回の制作で、最もこだわったポイントは「糸の光沢」だという。使用している糸や技法については、こう説明する。
「メインは、艶と発色が綺麗なDMCの糸を使っています。ただ、DMCの糸だけでは色が足りないので、OLYMPUSやCOSMOなど他のメーカーの糸も使っています。糸は光を反射するため、糸を引く強さや向きが揃えば光の反射も揃ってきらめくんです」

動画内では、「刺繍の方向を統一する」という通常とは異なる技法も紹介。この手法について、陽-haru-さんは次のように解説している。
「刺繍の方向を統一すると光の反射が揃います。黒目は横に、白目は縦に光を反射するのは“眼”という構造物として違和感があるので、眼球全体が同じ方向に光を反射するようにしました」

制作過程で特に神経を使っているのは、炭治郎の顔部分だという。
「炭治郎の顔はとにかく細かく少しのズレが違和感になるので、ちょっとでも違うと感じたら解いてやり直しています。また、普段通りに顔を刺すと炭治郎の顔が眼に乗っかっているような印象になりそうだったので、黒目に馴染ませるよう気を使いました」
中でも、とくに時間をかけている工程は色選びだそう。
「どんなに刺し方が綺麗でも、色が適切でないと台無しなので、すごく時間をかけて色選びしています」


本作は現在も制作途中であり、完成時期についてはこう話している。
「まだ完成していないので分かりません…。1月前半には完成させて動画も投稿できると思います」

今回の投稿後、多くの反響が寄せられたことについては、次のように受け止めていると明かす。
「たくさん褒めていただけて、シンプルに嬉しいです!自己満足で作っていて、独学なので資格を持っているわけでもないですが、こうして評価してもらえると自信が持てます」
今後の制作については、次のような構想を持っているという。
「鬼滅は好きなキャラクターが多いですし、まだ2部も映画がありますので、また作ると思います。鬼滅以外では、次は『ズートピア2』の主人公ふたりを作りたいと考えています」
