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一瞬で過ぎ去る“瑞々しさ”や“美しさ”を映し出す…『白の花実』から辿る少女映画5選

映画『白の花実』が公開を迎えた。本作は、寄宿学校を舞台に、少女たちの内面の揺らぎや、言葉にならない感情を繊細に描いている。

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『白の花実』©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO
『白の花実』©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO 全 13 枚
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映画『白の花実』が公開を迎えた。本作は、寄宿学校を舞台に、少女たちの内面の揺らぎや、言葉にならない感情を繊細に描いている。

無垢さと危うさが同時に存在する、かけがえのない瞬間を描いている本作にちなんで、“少女の瑞々しさ、そのころにしか出せない美しさ”を描いている映画をピックアップして紹介。

『白の花実』(公開中)

『白の花実』©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO

転校を繰り返してきた杏菜は、キリスト教の寄宿学校で、周りから一目置かれる完璧な少女・莉花と出会う。ところがある日、自ら命を絶ってしまう莉花。

友情とも憧れともつかない感情が芽生えるなか、少女たちの日常が少しずつ揺らぎ始めていくファントム・ファンタジー作品だ。

『白の花実』©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO

少女たちの感情を純度高く表現した本作。出来事を説明しすぎず、沈黙や視線、間によって、少女の内側に生まれる変化を丁寧にすくい上げた。


『少女は卒業しない』(’23)

地方都市の高校を舞台に、卒業を控えた少女たちの言葉にしきれない思いが交差していく。

大きな事件は起こらないが、視線や沈黙、ふとした仕草の積み重ねが、確かに心を揺らす。誰もが通り過ぎてきたはずの一瞬を、やさしくすくい取った青春群像劇。

河合優実や小野莉奈をはじめとする若手実力派キャストの繊細な演技が、あのころの感情を静かに、確かに呼び起こしていく。

『ヴァージン・スーサイズ』(’99)

少女映画のマスターピースとされる、ソフィア・コッポラ監督の長編デビュー作。

郊外の街で、厳格な家庭に育つリズボン家の5人姉妹。彼女たちの不可解な死は、近隣に住む少年たちの記憶の中で、永遠に語り継がれていく。

理解しきれなかった少女たちの内面と、外側から見つめる視線の断絶。甘美で残酷な映像と音楽が、少女期の儚さと閉塞感を鮮烈に刻みつける。少女たちの“わからなさ”そのものを肯定する視線が、甘美で残酷な記憶として刻まれる。

『櫻の園』(’90)

卒業を控えた女子校の演劇部。チェーホフの戯曲「桜の園」の上演を控えた少女たちの日々を描く。

取り留めのない会話、笑い声、沈黙――何かが起こるわけではないのに、確実に失われていくいま。少女たちの無意識の残酷さと瑞々しさが、静かな余韻として胸に残る。

監督は、『12人の優しい日本人』の中原俊。物語を説明することを抑え、少女たちの時間をそのまま映し出す演出が、取り戻せない一瞬のきらめきを、映画として確かに封じ込めている。

『花とアリス』(’04)

会話のテンポや身体の動き、ふとした沈黙まで含めて、少女である時間そのものをフィルムに焼き付けた、岩井俊二監督ならではの一作。

鈴木杏演じる花と、蒼井優演じるアリス。正反対の性格を持つ少女たちは、ひとつの恋をきっかけに、友情は揺れ、嘘が重なり、日常は少しずつ歪んでいく。軽やかで可笑しいやり取りの裏側に、少女期特有の残酷さと不安がにじむ青春映画。

《シネマカフェ編集部》

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