テレビ東京で放送中の『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』で、ひときわ切ない余韻を残した人物のひとりがリャンウムだ。朝鮮最高の歌い手として描かれたこの役は、ただ美しいだけではなく、ナムグン・ミン演じるイ・ジャンヒョンとの特別な絆や複雑な感情を抱えた存在でもあった。
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このリャンウムに扮したキム・ユンウは、その繊細で危うい人物像を静かな熱で演じ切り、一気に注目を集めた。実際に『恋人』でのリャンウム役は大きな話題となり、2023年MBC演技大賞では新人賞受賞にもつながっている。
もともとキム・ユンウは、2021年のNetflix映画『甘酸っぱい』でデビューした若手俳優。2000年12月28日生まれで、キャリアとしてはまだ若いが、『恋人』をきっかけに一気に名前が広く知られるようになった。韓国メディアも“少年らしさと男性らしさが共存する新鋭”としてその変化を伝えていた。

『恋人』のあと、キム・ユンウは着実に次の作品へ進んでいる。2024年には『BEGINS ≠ YOUTH』に出演し、パク・ハル役を担当した。この作品はBTSユニバースをもとにした全12話のドラマで、2024年4月30日から5月14日まで配信された。『恋人』で見せた時代劇の哀しみとはまた違う、青春群像劇の一員として名を連ねたことは、若手俳優としての幅を広げる動きとして自然に受け取れる。
そして近況として最も注目されるのが、2026年放送予定ドラマ『孤高のエリートドクター』への出演である。
作品は誰もが嫌がる島に赴任した医師が1年間を必死に耐え抜く姿を描くウェブトゥーン原作ドラマで、イ・ジェウクやシン・イェウンらと共演。キム・ユンウはこの作品で、公衆保健医のヨン・ジュチョン役を務めた。
こうして見ていくと、キム・ユンウの“その後”はとてもわかりやすい。『恋人』で強い印象を残し、新人賞を受け、2024年には青春ドラマへ、さらに次は医療ドラマへと歩みを進めている。いわゆる一作限りの話題の人ではなく、作品ごとに少しずつ表情を変えながら成長している最中の俳優なのだ。
『恋人』でリャンウムに心を奪われた人にとって、今のキム・ユンウは“あの切ない歌い手の人”で終わる存在ではない。まだ若いながらも、時代劇、青春群像劇、スリリングな作品、そして医療ドラマへと着実にフィールドを広げている。いまはまさに、次世代俳優として輪郭がはっきりしてくる途中にいる人。キム・ユンウの現在は、静かなブレイクのその先をきちんと歩いている最中なのかもしれない。
文=森下 薫
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