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韓国ドラマの登場人物は、なぜ人生の節目で「漢江」へ向かうのか?【コラム】

観測史上最高42.5度を記録するなど、記録的な暑さが続く今年の韓国。外に出るだけで体力を奪われるような猛暑のなか、夕暮れになると涼を求めて人々が自然と集まる場所がある。ソウルの大動脈・漢江だ。芝生に寝転ぶ家族、ラーメンを食べる若者、チキンとビールを囲むグループ、ランニングやサイクリングを楽しむ人々――韓ドラでもおなじみの光景だ。

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観測史上最高42.5度を記録するなど、記録的な暑さが続く今年の韓国。外に出るだけで体力を奪われるような猛暑のなか、夕暮れになると涼を求めて人々が自然と集まる場所がある。ソウルの大動脈・漢江だ。芝生に寝転ぶ家族、ラーメンを食べる若者、チキンとビールを囲むグループ、ランニングやサイクリングを楽しむ人々――韓ドラでもおなじみの光景だ。

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今回、筆者のThreads(テキスト投稿型SNS)で「ソウルっ子にとって漢江とは?」と質問してみたところ、

「ソウルの庭」
「子どもの頃から、暑い日は家族で漢江へ行くのが当たり前だった」
「夜景を見ながらラーメンを食べる場所」
「チメク(ビールとチキン)とワイン」
「夏にはプール」
「一人になりたい時に行く場所」
「漢江はソウル開発の歴史そのものであり、ソウル市民への贈り物」

そんな声が次々と寄せられた。

恋が始まる
夢を語る
別れを決意する
一人で涙を流す
新しい人生へ歩き出す

ドラマの重要な場面では、不思議なほど漢江が登場する。開放的な水辺という空間だからこそ、登場人物は本心を語りやすくなる。夜になれば橋や高層ビルの明かりが川面に映り、日常の喧騒から切り離された特別な時間が生まれる。自然と心の距離が縮まる効果もある。

(写真=筆者提供)

韓ドラにおける漢江効果

恋を育む場所

『わかっていても』(2021)では、ナビ(演者ハン・ソヒ)とジェオン(演者ソン・ガン)が夏の夜の漢江公園でデートを重ねる。夜風に吹かれながらラーメンを食べる、まさに漢江デートの定番風景がそのまま描かれ、曖昧な恋愛関係の空気感を際立たせている。

夢を語る場所

『スタートアップ:夢の扉』(2020)では、ダルミ(演者ペ・スジ)とドサン(演者ナム・ジュヒョク)が漢江公園のベンチで夢や将来を語り合う。劇中に出てくる若者たちが成功を目指す憧れの起業支援施設「サンドボックス」は、漢江大橋の中央に位置するノドゥル島を主な撮影地としており、漢江を望む風景が、未来への希望を象徴するように映し出されている。

人生を見つめ直す場所

『未知のソウル』(2025)では、ミジ(演者パク・ボヨン)とホス(演者パク・ジニョン)が漢江鉄橋周辺で少しずつ心を通わせていく。オープニングでも盤浦(バンポ)大橋のレインボー噴水が映し出され、「ソウルで生きる」人生を映し出す風景として機能している。

tvNドラマ『未知のソウル』より

特別な時間を演出する場所

『ソンジェ背負って走れ』(2024)では、ソンジェ(演者ビョン・ウソク)とソル(演者キム・ヘユン)のロマンチックなシーンで漢江クルーズが登場。美しい夜景が、二人の距離が縮まる瞬間を彩っている。

なぜ人生の節目は漢江なのか…漢江には、人の心を自然に開かせる力がある。

どこまでも続く水辺
広い空
ソウルの夜景
橋を渡るさわやかな風

漢江は単なる背景ではない。登場人物の心を動かし、視聴者にもその感情を共有させる、「もう一人の登場人物」とも言える存在なのである。

そしてThreadsには、こんな興味深いコメントも寄せられた。

「子どもの頃ドラマで見て、男女が別れる時はみんな漢江へ行くものだと思っていました(笑)。最近は恋愛より、スパイや極秘任務を描くシーンが多い気がします」

漢江が引き受けるのは恋愛や青春の感情だけではない。パク・シネ主演の『Missホンは潜入捜査中』(2026)では、漢江は潜入捜査の拠点、極秘の接触場所として描かれている。夜の漢江公園や川沿いでは、情報交換や密会が行われ、恋愛ドラマで見せる穏やかな表情とは異なる緊張感が漂う。ジャンルによって異なる表情を見せること自体が、漢江という空間の懐の深さを物語っている。

もしこの夏、ソウルを訪れる機会があれば、ぜひ漢江へ足を運んでみてほしい。チメクを楽しむのもいい。コンビニでラーメンを買って夜景を眺めるのもいい。レンタサイクルで風を切るのもいい。そして、何よりおすすめしたいのは、「ただ風を感じるひととき」を過ごすことだ。ベンチに腰掛け、川を渡る風を感じながら、ただぼんやりと景色を眺めるだけで、“ソウルっ子”の気分を味わえるはずだ。

(文=田名部 知子/Xで気ままなソウルの日常を発信中:@t7joshi)

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