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一度は行ってほしい韓国の「国立中央博物館」。日常を離れ、知と歴史に浸るひとときを【コラム】

昨年から、ソウルを訪れる機会があればぜひ足を運びたいと思っていた場所があった。それが、世界的に大ヒットしたNetflixアニメ映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の影響で注目を集め、観光名所としても話題となった「国立中央博物館(National Museum of Korea)」だ。

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昨年から、ソウルを訪れる機会があればぜひ足を運びたいと思っていた場所があった。それが、世界的に大ヒットしたNetflixアニメ映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の影響で注目を集め、観光名所としても話題となった「国立中央博物館(National Museum of Korea)」だ。

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開館前から入場待ちの列ができ、劇中のキャラクターを思わせるグッズが飛ぶように売れて完売するなど、かつてないほどの熱狂を巻き起こした同館。2025年の年間来館者数は、なんと650万7483人に達した。これは、ルーブル美術館(904万6000人)、バチカン美術館(693万3822人)に次ぐ世界第3位の記録(英『The Art Newspaper』調べ)であり、韓国文化に対する世界的な関心の高まりを如実に物語っている。

先日の韓国出張の合間に少しだけ時間をつくって国立中央博物館を訪問。実際に足を運んでみると、「行ってよかった」という感想だけでは収まらず、「ぜひ一度は訪れてみてほしい」と誰かに強く勧めたくなるほど、圧倒的な魅力に満ちた場所だった。

息をのむ景観デザインと、計算し尽くされたアプローチ

ソウル地下鉄4号線の二村(イチョン)駅で降り、専用の地下通路を抜けて博物館の敷地に足を踏み入れると、まず目に飛び込んできたのが「鏡池(コウルモッ)」だ。

博物館の建物や広がる空が水面に映り込むように設計された人工池で、中央には2009年に建立された韓国伝統様式の亭子「青磁亭(チョンジャジョン)」が静かに佇んでいる。洗練された現代建築と韓国の伝統美が見事に調和し、展示館へ向かう足を思わず止めてしまうほど美しい。

屋外には鏡池のほかにも、さまざまな石塔や石仏を鑑賞できる「石造物庭園」や「伝統染料植物園」、韓国の伝統庭園を再現した「牡丹池」などがあり、散策するだけでも楽しめそうだ。しかし、事前に「常設展示をすべて見て回るだけでもかなりの時間がかかる」と聞いていたため、今回は後ろ髪を引かれながらも先へ進むことにした。

常設展示館のあるメイン建物の前の「開かれた広場(ヨルリンマダン)」まで進むと、正面に南山タワー(Nソウルタワー)の姿が飛び込んでくる。あちこちから感嘆の声が上がり、記念撮影を楽しむ人々の姿も見られた。展示を見始める前から「すごい」と思わせる、なんとも心憎い演出だ。

世界的スケールの常設展示と、圧巻の「思惟の部屋」

手荷物検査を終えて常設展示館に入ると、まずその広大なスケールに圧倒された。館内は3階建てで、先史・古代館、中世・近世館、寄贈館、思惟の部屋、彫刻・工芸館、世界文化館など、計7つの展示館と39の展示室で構成されており、約9884点もの遺物が展示されている(館外での展示会や遺物の保存状態などに応じて、定期的に入れ替えを行っているという)。

館内のロビーでひときわ目を引くのが、吹き抜けの空間にそびえ立つ巨大な「敬天寺(キョンチョンサ)十層石塔」だ。1348年(高麗時代・忠穆王4年)に建立されたこの石塔は、韓国では珍しい偶数階の大理石製の仏塔。塔の表面には、仏や菩薩、四天王、羅漢の姿に加え、仏教説話の場面などが各層にわたって精緻に彫刻されている。その緻密な細工と圧倒的なスケールには、思わず息をのむ。

石塔を眺めた後は、展示室へと入り、旧石器時代から三国時代、高麗、朝鮮、大韓帝国へと続く韓国の歴史と文化を、時代の流れに沿ってたどっていく。館内には外国人の団体観光客や、両親と一緒に展示を見ながら学ぶ小学生の姿もあり、来館者は老若男女さまざまだった。この日は平日の午後だったこともあり、混雑で窮屈さを感じることもなく、比較的ゆったりと見て回ることができた。

外国人観光客が真剣な表情で遺物に見入る姿を目にすると、韓国の歴史や文化が世界中の人々を魅了していることを改めて実感する。少し大げさかもしれないが、そんな光景も印象に残った。

なかでも、ひときわ心に残ったのが、国立中央博物館を代表するスポットの一つ「思惟の部屋」だ。ここでは、6世紀後半から7世紀前半に制作された韓国の国宝「半跏思惟像」2体が並んで展示されている。

人間の生老病死に対する深い苦悩と、そこから得られる悟りを象徴する半跏思惟像。その姿とじっくり向き合えるよう、展示空間はあえて照明を落とし、静寂に包まれるよう設計されている。

そこにあるのは、2体の仏像だけ。けれども、空間に満ちた静けさと、何もない余白が生み出す厳かな雰囲気には圧倒される。日常ではなかなか味わえない、特別な体験だった。

購買意欲を掻き立てる、ハイセンスなミュージアムグッズ

国立中央博物館は、デザイン性に優れた美しいグッズ、いわゆる「MU:DS ミュッズ(ミュージアム+グッズの合成語)」の開発でも知られている。展示を見終えたあとに立ち寄ったミュージアムショップには、洗練されたデザインと実用性を兼ね備えたアイテムがずらり。値段のことはいったん忘れて、あれもこれも欲しくなってしまうほどだった。

これだけ膨大な数の遺物を無料で鑑賞できたことへのお礼を兼ねて、記念にいくつかグッズを購入。実は、半跏思惟像のミニチュアがどうしても欲しかったのだが、少々値が張るため、悩んだ末に今回は断念した。次に訪れる機会があれば、今度こそ手に入れたいと思う。

韓国のコンテンツ市場では、「最も韓国的なものこそ、最も世界的なものになる」という趣旨の言葉が語られることがある。今の国立中央博物館は、まさにその言葉を体現する場所だった。韓国の過去と現在、そして世界とのつながりに触れながら、多くのことを見て、感じることができた。短い滞在ながら、実りの多い時間だった。

(文・写真=韓ドラLIFE編集部 李 ハナ)

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