ギャルとゲイ。自身とは正反対のキャラを演じた高橋マリ子と杉浦太陽
オーストラリアに実在する名門アートスクールをモデルに、そこに通う学生たちの青春を描いた『Academy アカデミー』。日本からの留学生、千穂と隆を演じた高橋マリ子と杉浦太陽に話を聞いた。
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千穂は、才能あるがゆえに親に無理矢理に入学させられたことに反発し、自ら退学になるようなことをしでかすような学生。自由奔放で少しエキセントリックなキャラクターだ。
「何人かには『結構地でいってる』って言われましたけど(笑)、私自身は全然違うと思ってます。撮影の2週間前にオーストラリアに入って、そこでいろいろ役作りが出来ると聞いていたので、日本での準備期間では服装から入っていきました。ギャルっぽいキャラクターだったので、普段読まないような雑誌を読んだり、そういうお店に足を運んだりとかしました。それからオーストラリアに行ったんです。ビョークに似てるということだったので、ギャヴィン監督と一緒にDVDを見たりもしました。ファッションが気持ちを左右することもあるので、今回はそこから入っていったんです」。
一方の杉浦さんは、なんと、男子学生に恋をしてしまうゲイの役。
「この撮影の内容を日本でやったら出来なかったと思いますね。自らアウェイ感を作り出して(笑)、孤独感も結構作りました。学生たちの中で唯一しゃべりやすかったのがウェイドだった、というようなイメージです。それには、まず仲良くならないと、と思って空き時間とか一緒にしゃべったりとかしましたよ。ウェイドとのシーンは撮影の最終日に回してくれたんです。丸一日かけてあのシーンを撮りました」。
“あのシーン”とはもちろん、ウェイドとのラブシーンのこと。撮影はやはり精神的にもプレッシャーが大きかったそうだ。
「英語で長いセリフのシーンもプレッシャーでしたけど、それより何より…(笑)。撮影の1か月を準備期間として、そうしたプレッシャーを全部取り除きながら、だんだん自分に魔法をかけていって、特に本番の日はカチンコの音が聞こえたらスイッチが入るようにしていたんです。テストの時からカチンコを入れてほしいとお願いしていて、カンって音がすると、ウェイドのことを好きになっていたんです。で、また音がすると、『あれ? 僕は何をしていたんだ?』みたいな(笑)」。
一度はこの仕事を断った杉浦さんだが、隆というキャラクターを自分に置き換えて考え直したという。
「僕は何をしに東京に来たんだろうと思ったんです。僕が東京に来たのとオーストラリアへ短期留学に行くのと、心情的にも一緒になることが多かった。だから役者を目指すからには、神髄を究めてやろうと思って。本当に滅多にない役ですよね。英語でしゃべれて、男と恋愛するという役は。初めは悩みましたけど、今はやって良かったと思っています。精神的に強くなれたような気がしますね。今しか出来ないぞ! って」。
また高橋さんも千穂という自分とは違うキャラクターを演じたことで心境の変化が生まれたそうだ。
「これまでは自分の映像を観るのが恥ずかしかったんですけど、千穂を演じた時は自分の演技を見て『これはダメだったな』とか、自分を客観視できるようになりました。ギャヴィン監督との出会いは大きかったと思います。この映画はオーディションではなくて、最初からこの役でお願いしますというお話をいただいたので、ぜひやりたいと思いました。台本を読んで千穂に惚れ込み、やらせていただいたんです」。
高橋さんも杉浦さんも、これまでにないキャラクターに奮闘したという『Academy アカデミー』。本作だけでなく、2人の今後にも期待したい。
《photo:Hirarock》
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