オスカー女優、ヒラリー・スワンクが実在の人物を演じた『フリーダム・ライターズ』
ロサンゼルス郊外の公立高校に赴任した新米の国語教師が、低所得者層の多いこの地域を象徴するような落ちこぼれ生徒たちを奮起させ、希望のない日常からの脱出を促す。生徒ひとりひとりに自費で買い与えたノートに、自分たちの本当の気持ちを綴らせることによって…。
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
まるで夢のような楽天的な話だが、これは真実の物語。実在の教師、エリン・グルーウェルと生徒たちの実話を基にしている。ヒロインを演じるのは、2度のオスカーに輝くヒラリー・スワンク。「真摯」という言葉を体現するために生まれてきたようなエリンを、決して嫌味なく、大仰にもならず、軽やかに演じている。
そんなエリン先生が生徒たちにしたことは、ノートに書き綴らせることだけではない。生徒たちが「アンネの日記」に強い関心を覚えれば、アンネ・フランクを知る人物を学校に招き、生徒たちの前で体験談を披露してもらうことに奔走。命を狙われる生徒がいれば、車で自宅まで送り届けてあげたりもする。そもそも、生徒たちに与えたノートや教材の費用はパートタイムの仕事で稼いだもの。ここまでくると嘘っぽく思えてしまうのが人間の嫌らしさだが、すべて実話だというから恐れ入る。
真摯な教師と生徒の物語にストレートな感動を覚えるのは、彼らを描く監督の眼差しもまた真摯で実直だから。爽やかな感動にまるごと身を任せてしまうのも、時には大切なのだと教えてくれる。
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