【ヴェネチア映画祭レポートvol.08】和製で本拠地に乗り込んだ三池監督のすごさ

最新ニュースレポート

注目記事

2007.9.10 Mon 14:21

『スキヤキ・ウエスタン　ジャンゴ』を引っさげて、ヴェネチア映画祭に出席した三池監督、桃井かおり、伊藤英明全 1 枚

日本から唯一コンペティション部門に参加した『スキヤキ・ウエスタン　ジャンゴ』。公式上映は深夜12時からにもかかわらず異例の満席で、主演の伊藤英明はもう始まる前から興奮を抑えられない様子。実際、上映中は何度も歓声が沸くほど盛り上がり、満場総立ちの観客から拍手を浴びた三池崇史監督は、「映画が一人歩きし始めたのを実感しました」と感無量だった。その際、きらりと目に光るものがあったが、後で尋ねると「いや、あくびをしたせいですよ」と照れ笑い。

伊藤英明も「みんなを抱きしめたいくらい嬉しい！　三池さんのおかげです」と感激しきり。実際、私もハグされちゃいました。でも、その気持ち、とってもよくわかる。マカロニ・ウエスタンの本拠地・イタリアに、和製ウエスタンで乗り込むというのは大きな賭けで、きっと内心では相当緊張してたに違いない。ご両親も同行していて、「産んでくれてありがとう、という気持ちになりました」とコメント（ちなみにお父様もやっぱり二枚目）。海外の映画祭に数多く参加している桃井かおりは「（映画祭で）お客さんが出ていかないなんて、珍しい。三池さんは本当にすごいわ」と顔をほころばせた。

実は、今年のヴェネチア映画祭ではマカロニ・ウエスタンの大特集が組まれており、『荒野の1ドル銀貨』などマカロニを代表するスター、ジュリアーノ・ジェンマのティーチインも開かれた。宿泊したホテルでジェンマを紹介された三池監督は、大感激だったそう。私もジェンマに遭遇したが、すっかり白髪になったものの、かっこいいおじいちゃんでした。

《text：Ayako Ishizu》