ワクワク感に加え、ヒネリのきいた遊びやシニカルな味わい満載の『スターダスト』
村一番の美女に恋心を寄せる青年が、美女のハートを射止めるため、一度も越えたことのない村の壁の向こうに落ちた流れ星を探す旅に出る…。ニール・ゲイマンのグラフィック・ノベルを映画化した『スターダスト』は、夢いっぱいの冒険ファンタジーだ。
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ただし、ワクワクさせられるだけのファンタジーには留まらず、そこかしこにヒネリのきいた遊びやシニカルな味わいが。『ヘアスプレー』でも鼻持ちならない美熟女を怪演しているミシェル・ファイファーが永遠の美に執着する魔女を嬉々として演じ、コワモテのロバート・デ・ニーロがお茶目な秘密を抱える海賊のキャプテンとして登場することからもそれがわかる。
物語の中心となる青年・トリスタンは、人間の女性に姿を変えた流れ星と出会って恋に落ち、やがて本当の愛というものを自覚する。思わぬ展開で驚かせたり、笑いを誘う中、ファンタジーのヒーローとして活躍するトリスタンの成長の物語だけは至ってストレートだ。
トリスタンを演じるチャーリー・コックスは、少々頼りなげな風貌がチャーミング(ただし、トリスタンの父親の若き日を演じるベン・バーンズはもっとチャーミング)。『カサノバ』ではシエナ・ミラーの弟を演じていた彼が、本作では村一番の美女に扮したシエナに無邪気な恋心を抱く若者として登場し、さらには彼女への想いを踏み台に、成長した大人の愛を見つける役どころに扮しているのがちょっと楽しい。
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