ファッション小噺vol.62 “第二の肌”を纏う女優たち
「女優にとって、衣裳というのは第二の肌のようなもの。これが自分や役柄に合っていなければ、うまくいかないわ」。そうインタビューで話してくれたのは、主演の『夜顔』(マノエル・ド・オリヴェイラ監督:写真上)が日本公開間近のフランス女優ビュル・オジエ。
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フランス映画界における彼女の後輩で、ビュルと『エステサロン/ヴィーナス・ビューティ』で共演したオドレイ・トトゥも、先日『プライスレス 素敵な恋の見つけ方』(写真右)の取材で会ったとき「衣裳を身につけ、ヘアメイクをしているうちに、どんどん気持ちが役に入っていくの」と、外見づくりが役づくりに大きな影響を与えていると言っていました。
最近観た映画の中で、役と演じる役者の雰囲気がとても良く合っていたのが、『ブレイブ ワン』(写真左下)。N.Y.の街でひろった声や音を紹介するラジオパーソナリティの女性をジョディ・フォスターが演じています。柔らかい素材、洗練されたフォルムのカットソーで見せるシンプル&すっきりとしたカジュアルスタイルが、ニューヨーカー×ラジオパーソナリティという女性像とぴったり。
いつも、きっちりかっちりした服を着ているクールなイメージがあるジョディですが、潔さを感じさせるショートヘアの効果も抜群で、肩の力の抜けた感じにリアリティあり。ラジオパーソナリティをやっているニューヨーク在住者など、一人も知らない私が、「ああ、こんな感じの人がやる仕事なんだろうな」と妙に納得できました。
同じマスコミ関係者でも、N.Y.でぶいぶい言わせているTV業界人とも、L.A.で年がら年中日差しを浴びている映画業界人とも明らかに違う。もちろん、日本の業界人とは全く違う。やはり役柄とぴったり合った外見(衣裳+ヘア、メイク)は大切なんだと、当たり前のことを再確認。そしてふと、自分はいったいどんな職業の人のような様子に見えているのかな…と疑問がふわりと浮かんできたのでした。果たして…。
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